ロイヤルアスコット2013のみどころ[和田栄司コラム]

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英国の王室開催になるロイヤルアスコットが、今日18日バークシャーのアスコット競馬場で開幕する。延5日間の日程で行なわれ、初日の今日は豪華に3つのG1競走が行なわれる他、毎日必ずG1レースが組まれている。かつては「マイフェアレディ」の舞台となった華やかなロイヤルアスコット競馬、1つ1つのレースに見どころが詰まっている。

ロイヤルアスコット初日のオープニングを飾るのは4歳以上による直線のマイル戦、クイーンアンS。ここにはドバイワールドCを快勝した2011年のケンタッキーダービー馬アニマルキングダムが出走する。豪州で種牡馬生活に入る前の最後のレースだけに世界の注目を一身に集めるだろう。吉田照哉氏所有のG1・2勝馬イルーシヴケイト、他ロッキンジS2着ソヴリンデブ、同3着アルジャーヒア、同5着で1番人気に推されたデクラレーションオブウォーにも注目。

初日の2つ目のG1キングズスタンドSは3歳以上による直線の5ハロン戦。春先のドバイでアルクォーツスプリントを鮮やかに差し切った南アフリカのG1・3勝馬シェイシェイに注目する。豪州からはニューマーケットH勝馬シェイムエキスプレスが参戦、またG1・2勝馬レックレスアバンドンはG2テンプルSを3着して臨んで来た。

初日最後のG1セントジェームズパレスSは3歳牡馬による右廻りのマイル戦。ダービーで不可解なしんがり負けを喫したドーンアプローチが使って来た。エクリプスSの話もあったがマイルに戻しての再スタートである。2000ギニーで7馬身半差4着のトロナード、愛2000ギニーを3馬身半差で完勝したマジシャンとの対決が楽しみ。

2日目19日は4歳以上によるマイル&クォーター戦のプリンスオブウェールズSがメインになる。バリードイルのキャメロットが出て来る。今季は初戦のG3ムーレスブリッジSを勝ったが、前走G1タタソールズゴールドカップはアルカズィームの1馬身半差2着。そのアルカズィームとの再戦、イスパーン賞を勝ってG1馬の仲間入りを果たしたマキシオス、今季初戦となるナッソーS勝馬ザフューグと対戦する。

3日目20日は4歳以上による2マイルと4ハロンのマラソン競走ゴールドカップ、ロイヤルアスコットの中では1番人気のあるレースである。昨年G3クイーンズヴァーズを勝った女王陛下のエスティメートが前哨戦のG3サガロSを勝って臨んで来る。2010年の勝馬ライトオブパッセージ、昨年の勝馬カラーヴィジョン、昨年3着のG2・2勝馬サドラーズロックとの対戦。

4日目21日は3歳牝馬による右廻りのマイル戦コロネーションSがメイン。1000ギニー勝馬でG1・2勝馬スカイランターン、そのスカイランターンに1000ギニーで半馬身差2着のジャストザジャッジは愛1000ギニーを快勝して来た。カリッド・アブドゥッラーの2戦2勝パブロスクとG3キラブーランS勝馬ビッグブレイクにも注目したい。

最終日22日は3歳以上による直線の6ハロン戦ダイアモンドジュビリーSがメイン。ロイヤルアスコットは従来4日間開催で行なわれていたが、ゴールデンジュビリーSが出来たのを機に5日間開催となり、昨年からダイアモンドジュビリーSに名称が変わった。初日のキングズスタンドSと共にグローバルスプリントチャレンジのシリーズに組み込まれている。

昨年の上位馬が出走を取りやめ、2011年の勝馬で昨年は5着に終わったが、G1・2勝のソサイエティーロックがG2デュークオブヨークSを快勝して臨んで来ただけに人気の中心、同レース3着のG1ラフォレ賞勝馬ゴードンロードバイロン、今季初戦となるが昨年4着のゴドルフィンのソウル、中3日で臨むことになるが南アフリカのシェイシェイも怖い存在となりそうである。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。