ヤマニンアリエッタが3番手から抜け出す!

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13年6月16日(日)3回阪神6日目5R 2歳新馬(芝1400m)

ヤマニンアリエッタ
(牝2、栗東・山内厩舎)
父:シンボリクリスエス
母:ヤマニンファビュル
母父:エアジハード


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逃げたナムラアッパーが2着。その真後ろでレースを進めたヤマニンアリエッタが、直線で外へ出して前を交しての勝利。圧倒的1番人気のデリッツァリモーネは、最後方からの競馬で追い上げてはきたが、前とは離され過ぎていたために最速の上がりを使っても3着。
小頭数ながらのレースの難しさ。新馬だけにまだ本気に走っていない面をみせてもいた。2番人気のワンダフルワールドは、直線で不利があったにしろ走れていない格好であった…。

残念ながら、返し馬をジックリと見る事が出来ない。東京競馬場でのTV観戦だけに仕方もない。ただパドックでの周回、馬場入場しての雰囲気などはしっかりと見て、自分なりの予測をたててみる。デリッツアリモーネとヤマニンアリエッタが○で、後はワンダフルワールドは太く見えるから、そこから離れた3番手。その次がナムラアッパーかなと。

そしてレース。すっかり乾いた感じの芝馬場。スタートが開いた瞬間には、デリッツァリモーネにヤマニンアリエッタの2頭が、1馬身近く他馬より遅い。100メートル行かぬうちに、デリッツアリモーネが一番後ろになる。それでも先頭ナムラアッパーから4馬身はない。もう1頭のヤマニンアリエッタは、出た後に押して押してあげてナムラアッパーの真後ろ、2馬身近い距離で続く。
1ハロン過ぎて12.8の入りだったナムラアッパー。2番手ウインスプラッシュで半馬身。その後がヤマニンアリエッタでが内、外にラブセレクターでワンダフルワールドがその後、1馬身のところ、デリッツアリモーネは相変わらず最後方で、先ほどよりも差は広がったか。
2ハロンめは12.0とここも遅い。3番手のヤマニンアリエッタの行きっぷりの良さが目立つ。3ハロンが37.1とかなりゆったりな流れで、ナムラアッパーが行く。

そこらから11.9とペースは上がる。最後方のデリッツァリモーネがやや追いどうしになる。だが先ほどよりは前と差は詰まった。残り3ハロンを通過。3番手のヤマニンアリエッタがやや外へ出す。そこが勝負処だったか。ヤマニンアリエッタが押して押して前へと促していく。
4コーナーを廻って直線に入ってきた。ナムラアッパーがやや差を広げた感じだ。ヤマニンアリエッタが2番手に上がる。最後方のデリッツァリモーネが内から馬の中へと突っ込んできた。残り1ハロンで追いついたヤマニンアリエッタ。しかし内のナムラアッパーも簡単にはバテない感じだ。ようやく前へと進みだしたデリッツァリモーネだが、前を追うには差があり過ぎた。1馬身近くまでナムラアッパーに追い上げたが3着まで。
最後の2ハロンが11・6~11・9。上がりの競馬に持ち込んだナムラアッパーだったが、ヤマニンアリエッタの切れに屈したが2着は確保。デリッツァリモーネは、スタートの遅いのはともかくも、その後のダッシュがなく残り2ハロンだけ競馬に参加した感じ。でも脚は十分に持っている。ワンダフルワールドはまだ幼さが出ていたし、直線で内からデリッツァリモーネが出てくる時に当てられて、ヒルんでやや外へと流れてもいた様子。体が余裕もあっただけにこれも変わってくるだろう。

今回も勝ち馬は牝馬。今日で6つの新馬戦を消化したが、4日目のダンツキャノンがただ1頭の牡馬勝利。ここらも仕上がり早がハッキリと出ているのだろう…か。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。