好位の外目から伸びてクリノジュロウジンが差し切る!!

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13年6月22日(土)3回阪神7日目5R 2歳新馬(芝1200m)

クリノジュロウジン
(牡2、栗東・川村厩舎)
父:タニノギムレット
母:タニノティアラ
母父:サンデーサイレンス


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1番人気のスマートエビデンスが、直線に入って後続を一旦は離し加減となった。ところが残り1ハロンで急に後続との差が一気に詰まる。追走していた3頭の中から、外目のクリノジュロウジンが、アドマイヤビジンをクビ差抑えての初陣勝ちとなった。
前半3ハロンが35.5と、決して速すぎる入りではなかったスマートエビデンス。最後は息切れの感じで止ってしまっていた。ここらが新馬戦の難しさ。この開催での新馬勝ちで牡馬が2頭めの勝ち上がりとなった…。

パドックの感じでは、決して出来上がっていると思える仕上がりには見えなかった1番人気のスマートエビデンス。しかし芝コースでの返し馬の入りをみると柔らかく、これなら大丈夫。と思えたもの。実際に逃げ脚を伸ばして直線に入ってきたが、残り1ハロンで後続を少し離した時には楽勝と思えたもの。ところが残り100のあたりで急激に失速しだした。
火曜の朝に浅見師に聞くと《正直、もう1本欲しい処だったからね~》と追い不足を言う。中京の3日目の1R1200芝で真価が問われる。
ただ先週の阪神の芝で逃げ切ったのは1頭もいなかった。それだけ内目の芝の状態が良くなかったのだろう。まして芝をいちばん最初に使ったレースである。後から言える事ではあるが…。

スタート自体はそう速くなかったスマートエビデンスだが、二の脚が速くて先手を取っていく。しかし1ハロンを過ぎ2ハロンめに入ろうかのあたりで、やや外へ逃げ加減。ここでトラストフェアリーと2番人気のベラフォレスタが追いつく。しかし逆にジワっとした逃げとなったスマートエビデンス。そのまま楽に行けて、2番手を1馬身つれての逃げ。4番手が2頭並びで、コウエイロンドとやや出が悪かったアドマイヤビジンだが、すぐに追い上げてこの位置だ。そこから2馬身下がってクリノジュロウジンが続く。

4角手前ではそのクリノジュロウジンが外へ出して追い上げていく。最後のカーヴはトラストフェアリーとベラフォレスタが前に並んでいく。その後ろも3頭が並ぶ。真ん中にアドマイヤビジン、外がクリノジュロウジン。
直線に入ってスマートエビデンスが追い出して一時は2馬身ぐらい離した感じ。オーロラビジョンを観る武豊J。ところがその後に急なバテとなって、後続に交わされてしまう。2番手をキープしたトラストフェアリーに前へと出てきたアドマイヤビジンが前へと出かかる。その時に外からクリノジュロウジンが一気に加速してクビ差交わしての勝利となった。

馬場のいい処を通ってきたから、直線での伸びに繋がったのか~と今になって思うもの。パドックの気配とか返し馬とかではまったく軽視していた感の馬が勝った。いや~本当に新馬戦は難しい…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。