関西、ディープの子供の初陣、エルノルテがまずは1勝!!

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13年6月29日(土)3回中京1日目5R 2歳新馬・牝(芝1400m)

エルノルテ
(牝2、栗東・音無厩舎)
父:ディープインパクト
母:シーズオールエルティッシュ
母父:Eltish


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名古屋のファンは熱い!そんな雰囲気を感じるパドックからレースまで、常に大勢の目を感じる。ライヴでのレースを楽しんでいるのを感じる。
圧倒的人気のディープインパクト産駒、エルノルテ。道中もあわてず騒がずのマイポジション、中団より後ろでじっとしていて直線だけで一気に前へと進出してきた。同じ様な位置からのモズハツコイとの接戦気味な着差だが、手応えは余裕なもの。どうやら前開催の阪神より、数段レベルが高くなってきている様子である…。

どうしても稽古で好タイムを出した馬をいい様に思えてしまう。トラックマン上がりだけに、仕方がないのか。シゲルカワチであり、ダンシングバトーも当然に力を入れて見ていた。
そのシゲルカワチが先頭に並び加減となっていった1ハロン過ぎから2ハロンめ。内のフェブノヘアを行かせて2番手。ダンシングバトーも好位の5番手のインにいる。前半3ハロンが35.2とやや緩い流れで4コーナー手前まで来る。

カーヴを廻って直線に入ってきて全部の馬が見える。勝負処だけに、後続もだいぶ接近してきた。残り2ハロン、シゲルカワチが追い出すが、良かった手応えの割に伸びがない。その少し後ろの馬の中にいるダンシングバトーも、もう手が動いている。
先頭のフェブノヘアがもうひと伸びする。しかし残り100の棒を過ぎるあたりで、エルノルテがグーンと伸びてきた。その外をモズハツコイがこれまたいい脚で前を追ってくる。さらに大外をブランネージュも来ている。エルノルテが先頭に立ったが、モズハツコイも激しく迫っていく。クビの差まで詰めた処がゴールだった。

パトロール・ビデオを観る。モズハツコイは、ダンシングバトーの直ぐ後ろの内目で脚を貯めている。エルノルテはその後ろあたり。しかし3コーナー手前ぐらいからモズハツコイの前にと動く。4コーナーではダンシングバトーの後ろから外目に出していく。カーヴで一番外目に出したが、内から5頭目ぐらい。ロスなく廻っている。モズハツコイはその1頭後ろを内から外へと切り換えた。
そして直線残り1ハロンで、この2頭の脚色だけが目立つ伸びを見せた。ゴール前でだいぶ福永Jの左ステッキが入ったが、それまでの位置取りや動き方をみると、かなり自信タップリな乗り方であった。

後刻、落ちついた時間帯に福永Jに感触を訊くと《クラシック級ですよ…》であった。急がず、ユックリの道中も《あの位置で十分間に合うと思ってました…》と涼しい顔であった。

ディープインパクトの子供の関西の初陣となったエルノルテ。勝利でまずは第一歩を刻んだ…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。