平林雅芳の2歳戦回顧

トピックス

土曜小倉1R
2歳未勝利・牝
芝1200m
勝ちタイム1.08.02

勝ち馬:サリエル(牝2、栗東・松永幹厩舎)

スタート良く出て行ったのがサリエル
今日も持ち前のスピードで先行策だ。
内のラブグランデーもダッシュがついて前を伺い、3角ではむしろこちらが先頭か。
最内をついてエリモクイーンも上がってきていた。
最外枠のトシザマキも行き脚がついて、3番手グループの外目。
4角手前では、最内をつくエリモクイーンと、やや外目に進路を取ったラブグランデーサリエル
その後を追うように接近してきていたヴェリタスローズは、少し内目に進路を取った。
外の好位にいたトシザマキが、ちょっとここらで追走の手応えが怪しくなって、前との間隔が開き始めた。
直線に入った、馬場の真ん中より外目に進路を取ったラブグランデー
その外にサリエルが抜け出した。
最内をピッタリと廻っていたエリモクイーンは、前との差が出始めた。
外のサリエルが、手綱だけでグイグイと押して前に出てのゴール。
2着がラブグランデー
3着には、前を追うものの差が詰まらないまま、ヴェリタスローズが入った。
トシザマキは、直線もいつもの伸びを見せずに終ってしまった。
ソエでも出たのだろうか?

勝ったサリエルは、使うたびに良化して行っている感じ。
今週は坂路で上がり24秒台と、なかなかの切れを見せていた。
持ち前の先行力で、スッと前々でレース出来るのもいい。
馬場のいい外目を選んでの決着だったが、時計も、筒一杯の印象でなくてこの時計であるから悪くないもの。
この馬の上昇カーブも頼もしいかぎりだ・・・。


土曜小倉4R
2歳新馬
ダ1000m
勝ちタイム59.7

勝ち馬:ベネラ(牝2、栗東・柴田見厩舎)

先週、今週と、坂路で水準以上の時計をマークしたベネラが、好仕上がりのとおりにデビュー戦を快勝し、熊沢Jに900勝目をプレゼントした。
ゲートが開いて一番に飛び出したのがベネラ
兄サウスヴィグラスから受け継ぐ短い距離の適性だ。
最内のジョウショームテキも、ダッシュがついて前に出た。
外からシゲルイエヤスに、その外目にスイートエスケープ、そしてグランデワイルドが先行グループを形成。
3コーナーでは、内からジョウショームテキがコーナーリングで前に出て、半馬身ぐらいの遅れでベネラが追走。
その後ろにシゲルイエヤススイートエスケープと続いた。
4角入り口では、また外に並びかけたベネラの脚色が良く、直線に入るとすぐに先頭に踊り出てそのままゴールに駆け込んだ。
2着には、内でジョウショームテキが粘るところへやっとエンジンがかかったスイートエスケープがジリジリっと伸び出したが、前を行くベネラには到底追いつかない位置に着差だった。
熊沢Jが、悠々と流し気味のゴールで5馬身差の圧勝となった。
坂路でのケイコの動きの良さを、そのまま実戦でも発揮したベネラの勝利であった。
短いダートは滅法得意な血筋で、父の影響も多大に受け継いでいるだろう。
今後は芝でどうかだろうが、逆に言えばその楽しみもあろうかと思える馬。
次走が注目だ。


土曜新潟9R
ダリア賞
芝1400m
勝ちタイム1.23.2

勝ち馬:プリンセスメモリー(牝2、栗東・高橋義厩舎)

最内のシンメイフジの出があまり良くなく、すぐに1馬身ぐらいのハンデを背負ってしまった感じとなった。
真ん中から、金沢から参戦の交流馬スマートパワーが出て行った。
2番手にサンデージョウ、外からカリビアンペガサスがついて行った。
マイネルカリバーンがその後、その直後の最内にプリンセスメモリー、その外に未勝利からの挑戦のオルレアンノオトメに外にウエスタンディオが好位グループを形成した。
まだシンメイフジは後ろであったが、徐々に進路を外目に出して行った。
最初のカーブを曲がって3角から4角へと向うあたりでは、内目をついたプリンセスメモリーが、徐々に前との差を詰めてかかった。
シンメイフジも、ここらでは直後の馬の間に位置してきた。
前半3Fが35.1のゆったりしたペースで、終い勝負の形となった。
直線入り口でも、先頭はまだスマートパワーが頑張っていた。
内の2番手にサンデージョウだが、後続も追い上げてきているので、殆ど一団となってきた。
直線に向いたところで、最内に入ったスマートパワーの外に出したプリンセスメモリーが、スッと間を抜いて前に躍り出た。
横一線になったところで、ちょっと前に進路を見出せなかったサンデージョウが外に出した。
その外から、直線入り口で外から進出してきていたシンメイフジがスッと前を追いかけたが、先んじたプリセンスメモリーには追いつかなかった。
最後の2Fの切れが11.7~11.7でのものだけに、それを抜くにはもっと鋭い脚を使わねばならない。
4角でちょっと外目に廻された分と、勝ち馬が、内々で巧く脚を貯めていたうえ、前を瞬時に抜けて最高の形ゴールへと向った分での差が出たゴール前であった。

半馬身先着したプリンセスメモリー
400キロを切る小柄な牝馬ではあるが、切れはなかなか。
デビュー戦同様の素軽さで、2戦目をもクリア。
父系からもスピードはたっぷり(函館2歳Sの本命馬と同じ父)であり、競馬が上手に進めれるタイプか。
シンメイフジは今日もあまりゲートの出が良くなかった。
終いの脚はなかなかではあったが、まだ能力を全発揮とはいかないレースぶりかと思う。
次走は新潟2歳Sに出走する予定のようで、更なる前進を期待したい。


日曜小倉1R
2歳未勝利
芝1200m
勝ちタイム1.10.7

勝ち馬:ダンツミラション(牝2、栗東・谷厩舎)

各馬横一線のスタートを切った。
その中からダッシュつけて先頭に出て行ったのがサダムトウコン
しかし、離れず外にレッドアンバーが続いた。 内には、ウイントランザムが入ってきた。
外からいい位置につけていたのがアキノローレルで、その後ろにエーシンハダル、そこから少し開いてダンツミラッションといった位置取りとなった。
前を行く先頭グループ5頭ぐらいが、差のない位置での競馬となった。
3角を過ぎたが、先頭のサダムトウコンのリードはそんなに広がらなかった。
2番手にはレッドアンバーが続き、内目にウイントランザム、その外にアキノローレルといった態勢。
先頭を行くサダムトウコンから、そんなに後続が離れずの先行となっていた。
4角へ向けていく馬群は、外目に進路を取り出していた。
先頭で廻ったサダムトウコンは、けっこう馬場の真ん中に出してきた。
内を突いていたウイントランザムでも、最内ピッタリでなく数頭分避けてきていた。

直線入り口で、2番手から先頭へ踊り出たレッドアンバーがそのまま逃げ込まんとしていたが、内を突いて伸びのいいウイントランザムが、ドンドンと前との差を詰めていった。
そして、外からグイグイと伸びのいいのがダンツミラションで、脚色が明らかに他とは違った。
ゴール寸前では、半馬身ほど前に出たように見えた。
2着争いが熾烈で3頭が横並びとなっていたが、ゴールではやや一番内のウイントランザムが先んじて2着。
3着がレッドアンバーで、その外へ並んでエーシンハダルであった。
前半3Fが33.8と、けっこうなペースと飛ばしたサダムトウコンは終いが上がってしまった。
道中6番手ぐらいの位置にいたダンツミラションが、直線外からの伸び良く快勝。
デビュー戦でいい終い脚を見せていたが、今回距離短縮でも、構わずの内容で追っていい処のある馬のようだ。
初日に牝馬限定戦で距離も一緒だったのだが、こちらに廻ってきていたのは何かの読みだったのだろうか?
初戦に今回と、なかなか渋い馬である。
今後もそんな存在の馬なのであろう。


日曜札幌9R
函館2歳S
芝1200m
勝ちタイム1.09.7

勝ち馬:ステラリード(牝2、栗東・森厩舎)

2勝馬のキョウエイアシュラを差し置いて、前売りの土曜からずーっと一番人気を守ったステラリード
目の肥えた北海道の競馬ファンのお眼鏡には、脱帽させれた結果であった。
厩舎の全競馬場での重賞制覇と勝利に華を添えた快挙。
渡辺元調教師に山内師、そして師といずれも関西厩舎。
非常に誇らしげに感じる偉業でした。

ゲートを立ち上がって、潜ってから飛び出したような格好のノーワンエルスが好発だったが、すかさず中館Jのチェリーソウマが主導権を主張。
2番手にインテグラルヘッドが続いた。
キョウエイアシュラはと観ると、やはり大外枠が響いているのか、位置どりはそんなに前ではなく、中団より後ろ目ではなかったか。
むしろ、最内枠を引いたステラリードが、内々をいい感じで6、7番手の好位置につけていた。
先頭からは、そんなに離れていない位置どりであった。
けっこうなラップを刻んでいた先行勢だが、4角入り口では、2番手のインテグラルヘッドが先頭に躍り出て直線に入ってきた。
キョウエイアシュラも大外を上がってきていたが、4角で各馬が横に広がって廻ってくるだけに、4角ではけっこうな位置に上がれたのに、直線に入った時の位置取りは、そんなに前ではなかった。 それでも直線の後1F過ぎから鞍上のゴーサインにしっかり伸び出したのだが、最内の5、6番手を進んできたステラリードが、インテグラルヘッドの外の進路がパカッと空いた瞬間、前を捕らえる勢いでそこにスッと入ると、鞍上の躍動と歩調を合わすように軽やかに伸び、外のキョウエイアシュラを抜いて先頭へと踊り出た。

前半千が58.0はまずまず速い方だろう。
そして、直線でも最後の2Fが11.9に11.7と、切れを要求される競馬となった。
枠順の差が大きく、内々で脚を貯めに貯めていたステラリードが、弾けるように、アッと言う間に先頭へ躍り出た脚は秀逸なものだった。
さすが一番人気に支持される器だと改めて思わされた。
惜しかったのがキョウエイアシュラ
使った脚は、むしろ勝者よりも強烈なものだったが枠順が悪過ぎた。
せめて真ん中あたりならと思うものの、これも競馬か。
3着のソムニアと4着のエステーラブがいい脚を使っての上位入線。
2番手から早めに抜け出しを狙ったインテグラルヘッドの5着は、けっこう速い流れを克服してのもので、キラリと光る内容か。

勝ったステラリードは、3月3日生まれの牝馬。
しかしお雛様のような可愛いさがあるというよりも、芯の強い牝馬のようである。
レースセンスのいい馬で、今年の2歳馬の勝ち上がり率の良い厩舎の中でも一番の出世頭だが、ますます今後に楽しみが膨らむ乙女であろう・・。