大知フルブルーム粘って3着「力は出し切れた」

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8番人気のウインフルブルーム(牡3、栗東・宮本厩舎)が逃げ粘って3着に食い込んだ。距離ロスを考えれば、決して好材料といえない8枠18番の大外枠からのスタート。それでもゲートから積極的な姿勢をみせ、1コーナーではハナに立ってレースを牽引した。

「行っちゃえ!という思いでした。ハナに行ってからはキョロキョロしてフワフワしたところがあったので、自然と息を入れることができましたよ」

この日、皐月賞までの芝のレースで、逃げの手で2勝を上げていた柴田大知騎手だったが、メインでも奇をてらうことのない果敢な競馬。ガッツマンらしい積極的なレース運びをみせた。これといった逃げ馬が不在のメンバー構成も吉と出たか、マイペースで運ぶと、直線で他馬に並びかけられても粘り強く反撃。3着を死守した。

「この馬の力は出し切れましたね。最後までバテずに伸びてくれて、交わされそうなところからも脚を使ってくれましたよ」

鞍上が納得の表情で振り返ったように、これでウインフルブルームはG1で2度の3着と奮闘。勝ち味には遅いものの、7戦して全て3着圏内をキープしている安定感からも、その戦歴は世代トップクラスの一頭といえるだろう。

「相手が強かったですが、最高の競馬をしてくれました。でも、今後のことはまだ決まっていないんです。オーナーと相談してからですね」

宮本博調教師はローテーションが白紙であることを強調したが、距離やコースを問わない走りはもう本物。戦前は低評価だったが、その素質を開花させつつある今、一躍、今後の動向に注目が集まる存在へと登りつめる走りをみせた。