ファンタジーSなど/平林雅芳の2歳戦(11/10)

トピックス

土曜京都1R
2歳未勝利
ダ1400m
勝ちタイム1.26.1


勝ち馬:ダンツブラボー(牡2、栗東・池添厩舎)

前走1800で最後は止まり気味だったディガジェが、距離短縮で臨んだ今回。
先手を取ってのレースとなった。
だが前半3Fが35.2とけっこう速い流れとなってしまい、ゴール前最後の1Fが、13.4もかかってしまった。
4コーナーで、最内がパカッと開くとダンツブラボーが出てきて前をドンドンと追って、最後は並んでのゴール。
寸前までディガジェが先に出ていたが、ゴールではハナ差ダンツブラボーが前に出た。
あまりスタートは良くなかったダンツブラボーだが、すぐに好位に取り付いてのレースぶり。
最後は、減量騎手の2キロ減が効いたかっこうであった。


土曜京都2R
2歳未勝利
ダ1200m
勝ちタイム1.13.4

勝ち馬:コウエイロブロイ
(牡2、栗東・山内厩舎)

ホクザンアロマと人気のタムロガッツが造ったペースは、前のレースよりは速くはない35.4。
しかし、1000メートル通過が59.8と息の入らない流れとなって馬群に沈んでしまった。
勝ったのは、コウエイロブロイ。
前半は好位の外目、3角からは2番手グループの大外に取り付いたが、渋太くゴールまで脚を伸ばしての勝利。
前へ行ったグループの中では、クリノキンバリーが最内から馬群をさばいて一瞬は伸びたが、ゴール前で脚が止まってしまった。
2着に突っ込んできたのが、ドンジリを追走していたメイプルリボーンで、道中は内々を進み、直線入り口で少し外へ出してからいい伸びで追い込んできた。
同じぐらいの位置にいた人気のカルテブランシェは、直線まで脚を貯めていたわりには伸びが全く見られなく、どうしたことだろうか・・。


土曜京都3R
2歳未勝利
芝1400m
勝ちタイム1.23.2

勝ち馬:カルロスバローズ
(牡2、栗東・藤沢則厩舎)

内のカシノグローブが好発のスタートだったが、カルロスバローズがスッと先手を取った。
2番手に外からエーシンアリオト。
一番人気バンダムクラウスのゲートは、同じ様に出てはいるのだが、ダッシュがあまりついていなくて、位置が後ろ目となってしまった。
軽快に逃げたカルロスバローズが、平均ペースに持ち込んだ。
前半3Fを35.3と申し分ないペースを造り、1000メートル通過も59.9と、芝では緩い流れとなった。
結局、上がり3Fも35.4と最高の形となって追撃を凌いだもの。
バンダムクラウスは、道中でアスカクリチャンをマークする形。
目標を、直線でもたつくアスカクリチャンから前に切り替えて追ったが、すでに届かずの流れとなっていた。
惜しかったのが北海道以来の久々のプラチナソングで、直線までは後ろ目だったが、横並びの直線から馬の間を割って抜けてきて、かなりいい脚色で前を追った。
先行馬ペースの中で悪くない内容で、次走で牝馬限定戦とかに出てきたら、すぐにでも勝つ馬と思える。


土曜京都4R
2歳未勝利
芝2000m
勝ちタイム2.01.8

勝ち馬:ヴィクトワールピサ
(牡2、栗東・角居厩舎)

デビュー戦は、実力負けではない内容だったヴィクトワールピサ。
今日は負けられない気持ちで臨んでいたはず。
スッと好位の2番手に付けていった。
逃げたバンブーヴィーナスが造ったペース、前半3F36.5とかなりユッタリな流れ。
2番手の内がフィールドペガサス。
その外目にヴィクトワールピサが折り合ってのポジションであった。
バンコジーロが、それをマークするようにファイブイーグルを挟んで、後ろで虎視眈々とレースを進めていた。
全く動きがないまま、3コーナーを廻った。
場内放送が、1000メートル通過が『62秒ぐらい』と告げた。
実際のラップでも1.02.1で通過。
1200メートル通過も1.15.1と、かなり遅い流れである。
完全に上がり勝負だ。
動きがあったのが、4コーナー入り口付近。
ルメールJ騎乗のバンコジーロが、先に仕掛けて最後のカーヴを急追。
しかし勢いもそこまで。
スッとヴィクトワールピサの反応が良く、直線では先頭に踊り出た。
そしてそのまま、直線1Fからは独走態勢となった。
全くの馬なりかと良くよく見ていると、物見でもしていたのだろう、鞍の上に置かれた手綱から小さくステッキで指導している様子を、パトロールビデオで見た。
ラスト最後の2Fが11.2~に11.3の切れ。
そこをほとんど馬なりで駆け抜けたのは、やはり非凡なものがあるようだ。
2着には、4コーナーを内目からフィールドペガサスが出てきてキープ。
3着バンコジーロと全くの本命戦であった。
3連単⑨⇒⑥⇒⑦で620円。これで2番人気なんだそうだ・・・。


土曜京都5R
2歳新馬・牝
ダ1400m
勝ちタイム1.25.5

勝ち馬:タガノディーバ
(牝2、栗東・平田厩舎)

逃げたのはマストバイアイテム。
レインリバーが追いかける流れとなった。
3番手ラブコマドリー。
そして1番人気のエーシンヴァーゴウが、3コーナー過ぎから外から追い上げる流れ。
前半3Fが34.5とかなり速い。
もう1頭の人気馬タガノディーバは、そんな速い流れでも、前の馬に乗りかかりそうな勢いで、3、4番手の内目を追走。
直線に入っても逃げるマストバイアイテムのスピードは衰えず、まだ逃げ足を伸ばしていた。
4コーナーを内目からさばいてきたタガノディーバが、脚を伸ばしてマストバイアイテムを交わして、ゴール前は手綱を抑えるほどの楽勝劇を演じた。
2着には、7、8番手の内目にいたスイートベルモットが、ステッキを入れて内ラチ沿いから上がり、直線1Fからは手綱を押しておして、前を行くタガノディーバを追いかけたが、だいぶ離れての2着。
3着クリスマスキャロルは、勝ち馬のすぐ後ろにいたが、ジリジリの伸び具合だった。
いい脚を使ったは5着のジョウノルビーで、後ろに位置していたが、直線では外にも馬がいて出せず。
真ん中をさばいて来た伸び脚はなかなかのもので、メンバー中最速の上がりをマークした。
勝ったタガノディーバは、ケイコどおりの内容。
逆にエーシンヴァーゴウは、やや返し馬で頭の高い感じが見受けられた。
好位の外目を追走していたが、直線ではもう脚が残っていなかった様子。
次回、どう変わるか。


土曜京都6R
2歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.49.8

勝ち馬:ディープデザイア
(牝2、栗東・昆厩舎)

ゲート内で立ち上がったディオメデスが、一旦は待ってくれたスタートだが、スタートが切られた時にはまた立ち上がった時だった。
だいぶ時間のロスとなったゲートであった。
でもその後直ぐに、馬群に何もないように取り付いていた様に、レースに対する非凡さを感じた。
レースの方は、前がかなりゆったりしたペースを演出。
逃げたオポム。
トーセンアミアブル、そして大本命のディープデザイアが先行グループを形成したが、前半1000メートルが1.03.4とペースはかなり遅かった。
3コーナーでは、内の3番手のハバタクテーラーが、前がつかえているぐらいのペース。
直線入り口では、ディープデザイアが楽々な手応えで先頭に出て、直線では独走となってしまった。
2着は、内目から上がってきたハバタクテーラーが確保。
全くの楽勝となったディープデザイアは、直線半ばで鞍上がしきりに体をネジルような動き。
後で四位Jに聞いてみたら、手前を替えるように指示していたそうな。
そんな余裕があるほどの楽勝と思っていただければ、だ。
大外から、3着にディオメデスが上がってきていた。
かなり長い間脚を使ってのもので、五分に出ていたら全く違う結果になったものと推測される。
次回出走してきたら、直ぐに勝利する馬と記憶して欲しい。
ディープデザイアの強さが目立った一戦でありました・・。


土曜京都7R
2歳500万下
芝1200m
勝ちタイム1.08.0

勝ち馬:エーシンホワイティ
(牡2、栗東・松元茂厩舎)

7頭立ての小頭数だったが、そこそこのメンバー。
中でもエーシンの2頭は甲乙つけがたい能力。
その対決が見ものの一戦となった。
やはりエーシンダックマンはスッと先頭に出た。
何もしないでも楽にスピードに乗って行った。
2番手にアドマイヤサーフ。
3コーナーを廻ると、やや後ろと離れ気味になった。
あまりの速さに後続が少し控えたのか。
3番手の外目のエーシンンホワイティが、4コーナーへ向けて上がり気味となって最終カーブを廻った。
先頭のエーシンダックマンと後ろから追いかけるエーシンホワイティとの間隔がなくなってきた。
直線もあと1ハロンあたりで、エーシンの2頭が馬体を並ばせた。
追う側のエーシンホワイティが少し先に出たのがゴールであった。
3着には、直線で外から追い出してきたドリームフォワードが、なかなかいい脚色で追い込んできた。
しかし前の2頭からは少し間があってのもの。

勝ち時計がレコードと発表された。
前半3Fを33.6で飛ばして、上がり3Fが34.4。
やや前半が速かった分で終い粘れなかったエーシンダックマンだが、やはりスピードは非凡。
勝ったエーシンホワイティは、これで2勝ともが1200芝のレコード勝ち。
小倉、京都と、1200芝を1.08.0と全く同じスピードで駆け抜けた訳である。
気が付けば、サクラバクシンオー産駒のワンツーであった。



日曜京都1R
2歳未勝利
ダ1800m
勝ちタイム1.54.6

勝ち馬:トウシンボルト
(牡2、栗東・浅見厩舎)

逃げたコイスキャーレが1.02.7とけっこうな流れで先行。
2番手ツルマルヤマト、3番手パキッシュが追走する流れ。
その先行グループの後ろでのトウシンボルトが、3コーナー過ぎからいい加速をしだして、4コーナー入り口では前を完全に捕らえる手応え。
馬場の真ん中から先行馬に取り付き、直線入り口でステッキを一発入れられたぐらいで、後は手綱をしごくだけの強い内容だった。
北海道以来の3ケ月ぶりのレース、初ダートも何のそのの内容だった。
2着3着は2頭が追い合い、勝ち馬の後ろの内々を追走していたナリタシルクロードが、4角で同じタイミングで出て外を追い上げ、後ろから4コーナーで追い上げてきた減量起用のトライアンフウィルがナリタに並んでの追い合いとなった。
最後に外ナリタシルクロードが僅かクビ差出ての先着だった。
勝ったトウシンボルトは、ちょっと渋いがダートはかなり適性があるのかも知れない。
岩田Jに今年の100勝目をプレゼントしたものであった。


日曜京都2R
2歳未勝利・牝
芝1400m
勝ちタイム1.21.1

勝ち馬:トーホウシンバル
(牝2、栗東・川村厩舎)

新馬戦で2着した馬が2頭。
それらと人気を分け合うトーホウシンバルだったが、今日は好枠も得て、最初から気迫が違うようだった。
ポンと好発で先に出た。
同じタイミングで外のサウンドバリアーもいいダッシュだったが、内枠の利を生かして先手、脚を伸ばしてきたオモイカナウが前を伺ったが、先手主張はトーホウシンバルとなった。
その直ぐ後ろにがサウンドバリアーが外、その内にノートルアンジュが上がってきての先行集団となった。
先頭のトーホウシンバルが造ったペースは、前半3Fを34.8と息の入るいい流れとなり、上がり3Fも34.8と全くの平均ペースとなって、後続を引き連れての勝利となった。
2着には、外の一番人気サウンドバリアーが伸びる処を、内からノートルアンジュが抜いて確保。
2番人気プリムールは、ゲートは五分だったが道中での位置がちょっと後ろ目になってしまい、直線でいい脚を見せはしたが4着止まり。
逃げたトーホウシンバルが平均ペースを演出しての逃げ切りなのに、先週出たレコードに0.4秒足らず。
かなりタイムの速い決着が続く。
馬場が速く時計はちょっと参考にならない。
トーホウシンバルは、デビュー戦でグレナディーンの2着。
前走は外枠が応えたかの内容。
今日は一転しての積極的なレースぶりも功を奏した様子だった・・。


日曜京都3R
2歳未勝利
芝1600m
勝ちタイム1.33.7

勝ち馬:アグネスワルツ
(牝2、栗東・宮本厩舎)

逃げたアグネスワルツが勝って、2番手に付けたメイショウカンパクがそのまま2着。
3番手を追走したブイコナンが、メイショウカンパクから3馬身離されたが3着。
前半1000メートルを59.1と、芝での通過ならばそうも速くない流れ。
結局、後続馬に影を踏ませもしなかったアグネスワルツが、1.33.7のレコード勝ちをおさめた。
初戦がダートデビューとなったアグネスワルツだが、今日はゲートの出も良く、スッと先手を取ってそのままの快勝であった。
牡馬に混じっての戦いで、牝馬が勝つケースを良く見かける。
夏場ならいざ知らず、秋も深まってきているのに牝馬勢の活躍が目立つ今日この頃である。
でも、ただの逃げではなく、3コーナーから4コーナー過ぎには、メイショウカンパクを半馬身ぐらい引き付けての逃げ。
直線1Fあたりが一番接近したが、ゴール前では3馬身ぐらい離す伸びを見せた。
最後の2Fの切れ味が11.2~11.9では、後ろの馬がもっと切れないといけないのだから、『なかなかこの新人騎手やるわ』いといった内容だった。
2番人気のモーニングフェイスは、ゲートで少しアオリ気味ではあったが、それほどのロスでもなく、道中も悪い行きっぷりでもなかったが、直線で思う程に伸びていなかった・・・。


日曜京都5R
2歳新馬
ダ1800m
勝ちタイム1.54.4

勝ち馬:アルバトン
(牡2、栗東・昆厩舎)

昆厩舎の2歳馬が、なかなかいい。
ここも、ブライアンズタイム産駒のアルバトンが、新馬勝ちをおさめた。
好発のアルバトンだったが、ジワッと乗られて1コーナーでは4番手の外目。
逃げたのは、外枠から出て行ったアルテミス。
2番手にロングカムイ。
外目にジョニーガンバが付ける態勢で、前半を過ぎた。
その後ろ目ぐらいに、アルバトンがいい感じで追走していた。
542キロの大型馬オースミレジスタも、その後ろに位置する3コーナーであったが、1000メートル通過が1.03.8と、新馬のデビュー戦としては息の入りづらい流れだったか。
前の馬の行くペースに併せていたアルバトンだが、3コーナーからドンドンとペースアップする流れの一番外を行った。
直線に入る時には馬体は一番前にあった感じだが、逃げたアルテミスが抵抗。
アルバトンが押し切るかと思う感じで入ってきた直線だったが、2頭が並んでゴールへ向かった。
4コーナーで、ジョニーガンバの内を抜いてきたシルクターンベリーの伸び脚が良く、グイグイと前を行く2頭に迫って行った。
粘りに粘るアルテミスを抜いたのが、ゴール少し前。
しかし、アルバトンが追い合いを制して勝利。
粘るアルテミスをクビ差交わして、シルクターンベリーが2着に上がった。
3着アルテミスから大きく7馬身も離れて、ロングカムイが4着。
着差以上に強い競馬内容を示したアルバトン。
新馬戦で1.54.4はまずまず悪くないタイムと言えよう。
逆に、シルクターンベリーはゲートを出て少しして躓くようなシーンもあったか。
でも、この馬も長~い脚を使っており、厳しい先行争いを粘ったアルテミスともども次走はチャンスだろう・・。


日曜京都6R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.22.0

勝ち馬:ラヴセンス
(牝2、栗東・長浜厩舎)

ここも牝馬のラヴセンスが勝ち上がった。
好発から逃げたミッキーマドラーに、追走するキョウワキララ、そしてタムロスカイと、前の馬たちが造ったペースは、1000メートル通過57.1とかなりのハイペースであった。
逃げたミッキーマドラーの後ろ、内ラチ沿いを進んでいた1番人気のラヴセンスが、直線では前を行く先行馬3頭の外へ出してからの追い出し。
楽勝かと思われたが、先行していたタムロスカイが、外にラヴセンスが並ぶとまたグンと伸びだして、最後まで2頭の追い合いとなり、ゴール前で最後にクビ差出たのがラヴセンスといった際どい勝負であった。
タムロスカイの粘りがなかなかなもの。
スーニの妹のアンソニカは、五分のスタートから中団へ下げての前半だったが、4コーナーを廻るあたりで前の馬との間隔が開いてしまうような感じだった。
でも好馬体であり鞍上の感触もいいので、先に変わってくる可能性は大。
前半3Fが34.2で上がり3Fが36.2もかかっていたように、全体に速い流れで推移した。
でもそんな中でも、先行馬グループが2、3着に粘っているのだから、前残りの速い馬場であるのは間違いない。
ラヴセンスは436キロの小柄な牝馬だが、なかなかにいい根性の馬で、追われていいセンスの持ち主のようだ。
ケイコもソコソコ時計が出ていたようで、けっこう仕上がってはいただろうが、次走どれだけかを見てみたい馬でもある。


日曜京都11R
ファンタジーS(Jpn3)
芝1400m
勝ちタイム1.21.2

勝ち馬:タガノエリザベート
(牝2、栗東・松田博厩舎)

ひと言、次元が違う感じの勝ち方だった。
タガノエリザベートのレース内容は、そんな表現がピッタリ。
五分のスタートから最後尾まで下げる位置どり。
それでいてピッタリと折り合っての道中。
直線に向いて大外へ出して、横並びからまた1頭分の外を脚が違うとばかりの伸び具合。
凄い切れ味で全部の馬をまとめて差しきった豪快な勝ち方であった。
デビュー戦でも凄い数字を見せ付けた末脚の印象だった馬だが、牝馬同士ならば負ける訳がないと思わせる凄い勝ちっぷり。
『恐れ入りました・・』そんな言葉が出てしまうレース後の感想でありました。

一流どころは皆思うことは同じなのだろうか。
内からラナンキュラスが、外ではグレナディーンにベストクルーズが、積極的なゲートオープンからの動き。
『先手でも構わないぞ』といった感じだ。
グレナディーンが行き、同厩舎のカレンナホホエミも前に行く、そんな感じの向う正面であったが、遅いとみてか、内からユメノキラメキが先手を取ってレースを造っていった。
3番手の内目にラナンキュラスが収まって、その外にインタレスティング。
その外目にベストクルーズが位置する先行グループである。
馬群はそんなに縦長にはなっていない。
一番後ろの馬群から、少し離し気味にタガノエリザベートが最後尾である。

3コーナーを過ぎても、みんな手応えは十分。
1000メートル通過が58.4とややゆったりなペースで流れて行った。
直線入り口でグレナディーンがいい手応えで廻ってきたが、その外からベストクルーズもそれを上廻るぐらいの手応えで上がってきた。
直線に向いた時には、横一列に並ぶぐらいの激戦となった。

一番内のユメノキラメキも粘っている。
その外にグレナディーン。
そしてその外にベストクルーズと、3頭がほとんど並び出してゴールを目指す、その時であった。
大外を、横の馬からさらに1馬身も開いたさらなる大外を、凄い勢いで来ている馬がいた。
タガノエリサベートである。
鞍上川田Jのステッキが空を斬り、そして、先に前に出たベストクルーズを並ぶ間もなく抜き去りゴール板を駆け抜けていた。

完全に前の馬の流れであったと思う。
こんな位置にこの馬がいるのかと思える程に、主力馬、色気を持っている馬が前にいる流れ、それもユッタリと進んでいたのである。
検量室横にあるパトロールビデオを見上げた。
タガノエリザベートは五分のスタートから下げていた。
そしてこの流れでも、最後方で十分に折り合っていた。
最後の4コーナー入り口でも、まだそう仕掛けてもいなかった。
直線入り口で大外に出してからの、一気の脚であった。
『まとめて交わす』、そんな表現がぴったりの伸び脚で、まるでこの馬が大本命だというような競馬だった。

新馬戦での脚も凄いのはこの目で見ている。
ディリー杯も凄い数字で上がってはいる。
何かこの馬だけが違う能力を感じるレースであった。
『来年を背負って立つ馬なのかも知れない』、そんな印象であった・・。

ラナンキュラスは、内目の最高な位置でレースを進めたが、先にいたグレナディーンを交わすまでに至らなかった。
先手を取ったユメノキラメキをクビ差交わしただけ。
でもまだまだどうのこうの言える段階ではなかろう。
何せ、勝ったタガノエリサベート1頭だけが目立ったレースであり、呆気にとられた感じのレースであった。