黄菊賞など/平林雅芳の2歳戦(11/17)

トピックス

土曜京都1R
2歳未勝利・牝
ダ1400m
勝ちタイム1.24.3

勝ち馬:ナムラアトラクト
(牝2、栗東・目野厩舎)

一年に一度あるかどうかの大差勝ち。そんな場面に出くわした。
デビュー戦もハイレベルな牝馬新馬戦での2着だったナムラアトラクトだが、今日も一人旅。
35.1の前半3Fのラップは、湿った馬場を考えてもそう速くはない。
4コーナーまで、後続馬との差もごく僅かだった。
しかし、直線に向くと鞍上の小林徹Jの手綱は動かずながら、後続をドンドンと離しれてしまった。
直線半ばではオーロラビジョンで確認、そして自らもちらっと後ろを見て再確認し、馬なりでゴールしたもの。
2着馬につけた差が1.9秒であった。
2番手を進んだハナショウブが、3番手を進んだクラシックアートに交されて、3着。
前々での決着ではあったが、勝ち馬に圧倒された一戦であった。
勝ったナムラアトラクトを破ったサンヴァンサンも強かったが、最近、牝馬勢の強さが目立つ感じを覚える。
このナムラアトラクトは500キロを超す馬。
ダートのみならず、芝でも十分にやれるのではないだろうか。
注目は次走であろう。


土曜京都2R
2歳未勝利
芝1200m
勝ちタイム1.10.8

勝ち馬:エーシンヴァーゴウ
(牝2、栗東・小崎厩舎)

芝コースの馬場コンディションはまだ不良。
だいぶ乾いて来てはいるのだが、本日最初の芝使用だけにどれだけな馬場なのか判らない。
逃げたのが連闘のエーシンヴァーゴウ。
返し馬では、今日も物見ばかりしていた。
ゲート入りでもだいぶ手こずらせたが、入ってしまえば出は速い。
先にポンと出たサダムシンプウを、ダッシュ利いたエーシンヴァーゴが並んで前に行く構えを見せたが、再び内からサダムが前に行くと2番手で折り合った。
3番手の外に、テイエムミューズだ。
その後ろが同じ勝負服のテイエムアコガレ。

内ラチ沿いに、1番人気のペガサスヒルズが控える態勢で、3コーナーを過ぎた。
前半35.1だから、速くない流れ。
4コーナーでは前4頭が横に並んだ。
その後ろ1馬身に控えるペガサスヒルズには、絶好のポジション。

直線に入ると、一番外のテイエムアコガレが脱落で前が3頭、その後ろにペガサスヒルズ。
直線1Fを過ぎると、真ん中のエーシンヴァーゴウが抜けて先頭。
外を追いすがるテイエムミューズ。
内のサダムシンプウが止まり出す。
しかし、ペガサスヒルズが抜け出すスペースはなかった。
後ろを見て、外へ出す安藤勝Jのペガサスヒルズが、一瞬だけ前の馬との差が開いた時間でもあった。
テイエムミューズの外に並び、前を行くエーシンヴァーゴウを捕らえたかと思ったが、僅かに届かずの2着であった。
前半35.1で後半35.7と理想的な流れとなって、エーシンヴァーゴウが連闘策で勝利をものにした。


土曜京都3R
2歳未勝利
芝1800m
勝ちタイム1.49.9

勝ち馬:グランクロワ
(牡2、栗東・藤原英厩舎)

前走2着馬が2頭、他にもソコソコな馬が揃ったメンバーで、悪くない顔ぶれのこの未勝利戦。
外枠からオースミレジスタ、内からテイエムブルースが出て行った。
サンライズモールが内の3番手。ゆったりと進む流れ。
3コーナーのカーブからは、テイエムブルースが1馬身前へと出て、坂を下って行った。
4コーナーまでの中間点では、前を行く2頭の後ろにティルスもじわっと接近。
その直後に、グランクロワが前、後ろにカネトシパサージュが位置していた。人気のフォースフルバイオは内で、サンライズモールの直後で待機だ。
4コーナーのカーヴを曲がる手前では、フォースフルバイオがちょっと前がつかえ気味となってしまった。

そして直線に入った。
外に張ったティルスの内をカネトシパサージュ、さらにその内にグランクロワが並んで出てきた。
一旦外へ出しかけたフォースフルバイオは、前に馬がズラリと並び行き場がなくて再度内へ切り替えた。
しかしそのタイミングで、前の馬との差が出てしまった。
並んで追いあう2頭、外カネトシパサージュが前に出ていたが、最後には内のグランクロワがクビ差前に出た。
3着には、外からシルクアーネスト。
4着には、さらにその外からデンコウオクトパスが差してきていた。
人気のフォースフルバイオはやっとティルスを交わしての5着であった。

前半1000メートルを1.01.1のゆったりとしたペースで流れたわりには、先行馬が壊滅。
中団に位置した馬ばかりが上位に来た。
直線でも、内目を通った馬よりも馬場の真ん中から外目が良く伸びている感じで、まだ水分が影響しているのだろうか。
上がり3Fも36.3とややかかっている決着。
今日の感じでは何とも言えない・・。

土曜京都4R
2歳新馬
ダ1200m
勝ちタイム1.13.1

勝ち馬:バクシンポイント
(牝2、栗東・野村厩舎)

激しい先行争いが続いた。
カシノハクリュウが一番先にゲートを出て先頭。
しかしすぐさまケイエスシンアカリ、ホワイトミーナと3頭が並んだ。
さらにグランフィールドも追いかけた。
一旦前に並びかけたバクシンポイントは、内で控えて5番手。

そんな態勢で3コーナーを過ぎて、4コーナー入り口では、一番外にギンマクも顔を出してきて5頭が並んだ。
廻りきると、最内のカシノハクリュウがコーナーワークで先頭。
1馬身、2馬身と前に出て行った。
その開いたスペースに、ラチ沿いを進んでいたバクシンポイントがスッと出てきて、前を行くカシノハクリュウを追いかけた。

先行馬グループは、もう伸びがなかった。
やはり、最内の開いたところから、バンダムローレルが前の2頭を追いかけるように出てきた。

直線1ハロンを過ぎ、争いは前の2頭に絞られた。
逃げるカシノハクリュウに、追い詰めるバクシンポイント。
ゴール寸前でやっとクビ差出たのが、追い上げたバクシンポイントの方。
そこから離れた3番手は、内で粘るバンダムローレルを、外からいい脚でトウケイウッドマンが差しており、交していた。
ギンマクは5着のデビューとなった。

前半3Fが35.8だから、見た目以上にペースは遅かった。
しかし、雁行しての先行争いは厳しかったか。
勝ったバクシンポイントは、行きかけた最初だったが、すぐに控えたのが良かったか。
ギンマク以外は、全馬が内々を通った馬ばかり。
3着のトウケイウッドマンも、前半は内目のブービーを進み、直線で外に出し脚を使ってきたもの。
やはり競馬の基本は、内々キープにこしたことはない・・。


土曜京都5R
2歳新馬
芝1600m
勝ちタイム1.37.6

勝ち馬:リープオブフェイス
(牝2、栗東・池江寿厩舎)

この新馬戦も、少し前に行われた2歳未勝利戦と同じような流れ。
前半1000メートルが、1.01.1とまったく同じラップで経過。
しかし先行馬グループから勝ち馬は出なかった。
むしろ道中ブービーの位置どりで、前の馬から2馬身ぐらい離れて追走だったリープオブフェイスが、直線入り口から大外へ出しての追い上げて、前で粘っていたマザーウェルを一気に交わしての勝利となった。
圧倒的一番人気に支持されていたウインブシドウだが、道中は絶好の位置の最内3番手を進んだ。
直線残り1ハロンあたりから外へ出してきた時には、突き抜けるかと思うタイミングだったが、そこでやや外へもたれ気味で、鞍上のルメールJが追うことよりも、内へ修正するシーンが長かったようだ。
ちょっと惜しまれる内容であった。
前へ行った組では、マザーウェルが勝ったと思った瞬間に、外から並ぶ間もなく抜き去られてしまった。
4着にも、ドンジリ追走のスマートグリッドが、メンバー最速の脚で追い込んできており、馬場コンディションが内よりも外の方が良く伸びている気がしてならなかった。

リープオブフェイスは、ダッシュがあまりないのか、ゲートを出てしばらくして後方となった。
しかし、その後はゆったりとした流れを楽に追走していき、4コーナーから直線で一気に脚を使ってのもの。

ここも牝馬で、男馬に混じってむしろイキイキしている感じがした・・。


土曜京都6R
2歳500万下
ダ1200m
勝ちタイム1.11.0

勝ち馬:ラブミーチャン
(牝2、笠松・柳江厩舎)

朝から単勝売り上げで気になっていたラブミーチャン。
1番人気にはならないが、匹敵するほどの2番人気でレース直前まで行った。
馬体を見ても、なるほどサウスヴィグラスの子供と言った印象の、ガッチリした馬体であった。

一番最初にゲートを出たのは、サウスヴィグラスの妹のベネラ。
フォーティナイナー産駒である。
しかし、すぐに内からクリスタルボーイが出て行った。
と思う間もなく、最内から浜口J騎乗のラブミーチャンが先手となった。
3コーナーのカーブでは、もう1馬身ぐらい先に出ていたかも知れない。
クリスタルボーイ、ペネラと続いた。

サリエルが外から追い上げて、4番手の外から前へと上がってきた。
連闘で臨んできたケイアイデイジーは、内々の5番手を追走。
4コーナーを廻って直線に入ってきたが、まだラブミーチャンは余裕タップリ。
後続馬との差も全然縮まらない感じで、残り1Fを迎えた。
内へもたれていたのか、はたまた手前を替えようとしたのか、浜口Jが馬上で体を左右に動かした。

そして左風車ムチが2、3発飛んだ。
追い上げてきたサリエルが迫るも、ラブミーチャンとの差はそう縮まらなかった。
再度浜口Jの風車ムチが廻り、そしてゴール前ではもう静かに手綱を絞ったままでのゴール。
2歳戦でのレコード勝利となった。
勝負服は、コパのオーナー。
いずれは中央入りするのだろうか。
そんなスピード感タップリな、そして鞍上共々、重厚感ある勝利ではありました・・・。恐れ入りました。



日曜京都1R
2歳未勝利
ダ1200m
勝ちタイム1.22.2

勝ち馬:スリーボストン
(牡2、栗東・藤岡範厩舎)

鞍上の武豊Jは、逃げたグランデワイルドと馬体を並ばせないで、少し離れた外目を追走する形を取った。
そんな工夫をして、向きになって行こうとするスリーボストンをなだめながらの2番手。
直線に向いても、ステッキを使わずのままでゴール。
それでいてタイムも立派。
『距離は、今のところ1200がベターだね』と鞍上の武豊Jが言うように、スピードが優っているような馬である。
しかし、なかなかの好馬体で楽しみな馬でもある。
2着には、4コーナーで3番手の外に上がってきたマイネルレガーロだが、勝ち馬を脅かすまではなし。
逃げたグランデワイルドが、何とか粘って3着と前々の決着で、4着以下はそこからまだ4馬身もの差があった。


日曜京都2R
2歳未勝利
ダ1800m
勝ちタイム1.53.8

勝ち馬:バルデッツァ
(牡2、栗東・中竹厩舎)

芝デビューからダートに、2戦目で替えてきたバルデッツアが先手を主張してのレース。
1000メートルを1.03.2と、まずまずのペースに落とす逃げで、追いすがるミッキープリステンを半馬身制して勝利した。
2番手のドリームマジシャンは、4コーナーまで。
3コーナーから外に上がってきていた1番人気マージービートも、直線廻った処で横並びに参加したまでで力尽きた。
代わって内をついていたミッキープリステンが、手応えどおりにいい伸びを見せて勝ち馬の内から激しく迫って、小牧、岩田Jの追い合いとなった。
先んじていたバルデッツアがもうひと伸びしての勝利となった。

最後の1Fが12.5と、まだ末脚を温存していたのも良かったようだ。
3着は、前半ブービーの位置だったナンヨースラッガーが、3コーナーから4コーナーまでにかなりの脚を使って追い上げてきたもの。
また5着プリティカポレイは、3コーナーまでドンジリ。
4コーナーからの脚は、かなり目立つものであった。


日曜京都3R
2歳未勝利
芝1600m
勝ちタイム1.36.3

勝ち馬:ストレンジラブ
(牝2、栗東・牧浦厩舎)

内枠のビッグウィークが逃げて、ダイヤモンドムーンが2番手。
3番手にタガノマージョラム。
その3頭がそのまま上位に残る緩いペースで進んだ。
1000メートル通過が1.00.8だから、このうえない先行馬ペース。
好位の馬込みの中で脚をタメていたストレンジラブが、直線に入ってから追い上げた。
ただし内へもたれたのか、幾度か矯正しながらの追い上げだった。
でもゴール前では逃げたビッグウィークをキッチリと交わしての勝利。
北海道のレベルの高いところで3、2着、それも接戦の勝負だった馬だけに、地力では完全に上だった様子。

人気のニシノマナザシは勝ち馬の外目に位置していたが、直線に入る時の反応が今ひとつ。
瞬時に勝ち馬と離れてしまい、ジワジワと詰めていったものの5着まで。
ゴール前だけ何とか動いた感じであった。
ペースがかなり遅く、完全に前残りの競馬、そこを差した勝ち馬は評価できるものであろう・・・。


日曜京都4R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.10.3

勝ち馬:シュテルンターラー
(牝2、栗東・坂口大厩舎)

逃げたミキノバンジョーが、前半3Fを35.6と、まずまずいいペースに落としての逃げ。
2番手にキョウワプレジャー。
その2頭が2、3着だから、完全なる先行馬ペースであった。
スタートで3頭ばかりが出が悪かった。
ややアオリ気味のスタートだったシュテルンターラーだが、ダッシュはすぐについて1ハロンも行かぬうちに集団に追いつき、中団の馬込みの中に位置していた。
それも内々のラチ沿いで脚をタメられるポジション。

4コーナーも内ラチ沿いで、縦位置で3番手まで駒を進めており、直線では逃げ粘る先行馬3頭の外へ馬首を出してから、一気の脚を見せての差しきり勝ち。
最後の1ハロンで11.8が計時されていたから、実際にはもっと凄い切れ味を使ったはず。
1番人気のピットスポルムは、4コーナーまで先行馬グループにいたのだがそこからの伸びがなかった様子だ。

13頭中牡馬が4頭しかいなかったのだから、データ的には何とも言えないが、牝馬の活躍がここでも目立った。


日曜京都5R
2歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.06.0

勝ち馬:スマートジェネシス
(牡2、栗東・大久保龍厩舎)

圧倒的人気となったスマートジェネシス。
確かに最終追いきりでの感触は、先週時とは比べようがないぐらいにいい評価を貰ったが、まさかの1番人気支持にやや驚きつつのレース前であった。
逃げたのはエニシ。
ただ、あまりに遅い流れを新人松山Jが演出してしまい、後ろがつかえ気味になる、そんな流れを替えようと、向う正面に入ると藤岡佑Jブラックボクサーがスルスルと前に出て行って、ペースを促した。
それでも3コーナーでは、馬の中にいたスマートジェネシスは、ちょっと前の馬に乗っかかりそうになるぐらいの勢い。
事なきを得て、そのまま流れ出して坂を下り、4コーナーを廻る馬群。

直線入り口から、好位3番手でレースをすすめたログがいいタイミングで抜け出した。
その出て行く時の勢いと後ろの馬との差からも、この馬で仕方ないと一瞬思えたぐらい。
しかし直線に入ってやっと前にスペースができたスマートジェネシスが、鞍上のステッキ5発に応えてゴール前で捕らえた。
最後の1ハロンが12.0とかかったのも助かった。
勝ち時計2.06.0はあまりにも遅いもの。
せめても5秒台でのレースにならないと競馬にならない。
そんな声がアチコチで聞こえてもいた・・・。


日曜京都8R
黄菊賞
芝1800m
勝ちタイム1.48.6

勝ち馬:ダノンパッション
(牡2、栗東・池江郎厩舎)

重賞レベルの馬が1頭で、後は条件級。
それほどに差があるのではないかと思える、レース後の印象であった。
たった8頭立てのレース。
最内枠のブラックイレブンが逃げた。
1000メートル通過1.02.1と、これまたかなり遅かった。
坂の下りでは、マイネルゴルトが変わって先頭となったが、ブービーを追走のダノンパッション、ドンジリ追走のマイネアロマもまったく微動だにせず。
直線に向くまで何も動きのないままだった。
そして直線に入ると、アッと言う間にダノンパッションがグーンと加速して先頭に立ち、そのままステッキも何もなしでのゴールイン。
そしてその後ろの外から上がってきたマイネアロマが、これも勝ち馬に遜色ない脚色で上がってきての2着。
しかし前にはもう3馬身もつけられていた。
3着に、2戦目インプレッシヴデイが、やはり3馬身差で入った。
ヒットメーカーも、今ひとつ伸びきれずの4着であった。

ダノンパッションの今日は、ゲートも五分に出ていたし、この遅い流れでも折り合いもピッタリ。
次元が違うとばかりのパフォーマンスで勝ち上がった。
ケイコはそんなにビックリするほどは動かない馬。
競馬も今日で4戦目だが、一番いい内容であった。
次が楽しみな馬でもある。