マイルチャンピオンS/平林雅芳の目

トピックス

日曜京都11R
マイルチャンピオンシップ(GⅠ)
芝1600m
勝ちタイム1.33.2
勝ち馬:カンパニー
(牡8、栗東・音無厩舎)

■GⅠ連勝で有終の美を飾ったカンパニー。完勝劇だ

今、一番充実している馬はカンパニーだろう。
その馬を良く知っているノリが、ちゃんと力を発揮させてあげた。
ただそれだけなのだが、これがラストランなのが惜しまれる。
でも完璧な時に終えるのも、カンパニーのためにもいい事。
お見事!、カンパニー。そしてノリでありました・・。

惜別の雨、そんな感じであった。
少し前のレースからポツポツとは来ていたが、マイルチャンピオンSの前にはちょっと雨脚が目立った。
でも馬場状態を大きく左右するほどの雨量ではない。

マルカシェンクは出ているのだが、ダッシュがない。
そんなゲートオープンの瞬間だった。
カンパニーはと観ると、そんなに悪くない五分のスタート。
鞍上が手綱を押して前へ前へとうながしていた。
前を見るとマイネルファルケ、キャプテントゥーレ、ヒカルオオゾラの3頭が先頭グループを形成していた。
やはりマイネルファルケがトップで先頭を切っていく様子だ。
少し行くとキャプテントゥーレが2番手。
ヒカルオオゾラは控え気味の3番手となった。
後ろにザレマがいて、その外へペリエJのサプレザが上がってきていた。
カンパニーは中団よりちょい前の内ラチ沿い。
隣にフィフスペトルがいて、後ろにスマイルジャックが外で、内にファイングレインがいた。
前半3Fを過ぎて、マイネルファルケのラップは34.8。そう速くはない。
2番手とは2馬身ぐらい開けての逃げで、坂を下って行った。
800メートルの標識を過ぎた時は、2馬身ずつの等間隔で後ろが続いていた。
3番手ヒカルオオゾラの半馬身後ろの内ラチ沿いに、外国馬エヴァズリクエストがいた。
その後ろにペリエのサプレザ、ザレマ。そしてカンパニーがいた。

そのまま残り600メートルの標識を通過して、4コーナーのカーヴへと入って行った。
カーヴを廻る時の縦位置で見ると、先頭はマイネルファルケ、2番手キャプテントゥーレ、3番手がエヴァズリクエスト。
そしてカンパニーが4番手の絶好位となっていた。

そして直線に入って生垣の切れ目を通過。
カンパニーはちょっとだけ外へ出して、前を行くエヴァズリクエストの外を通過して、ヒカルオオゾラとの間を抜けてきた。
前にはキャプテントゥーレが外、さらに先頭を行くマイネルファルケが出ているが、完全に射程圏に入った感じだ。

鞍上のステッキが飛んだ。
残り50メートルを過ぎたあたりで、マイネルファルケを捕らえ抜き去った。
もう鞍上は手綱を押すだけの勢いで、最後のゴールを通過した。
3着は、キャプテントゥーレが外へ流れる内をサプレザが抜いて上がった。
ヒカルオオゾラが粘るところを、その内からアブソリュートが凄い脚で突っ込んできていた。
4コーナーまでドンジリの位置だったが、直線で内へ進路を切り替えてからの伸びが鋭かった。
スマイルジャックもその後ろから伸びてはいたが、直線で馬ごみの真ん中で動けず、追い出しが遅れてしまっていた。
直線で外へ進路を取ったマルカシェンクやスズカコーズウェイは、伸びがなかった。

逃げたマイネルファルケが造った道中のペースは、1000メートル通過で58.7で、1200メートル通過が1.10.1とやや遅いぐらいの流れを演出。
完全に前残りのペースとなった。
カンパニーの位置取りは、あれしかないと言ったところ。
距離ロスもなく流れにも乗せて、いつもどおりのレース。
この3戦、いや殆どのレースで、内々の競馬をして直線で弾けさす。
その戦い方であった。

今期は中味も充実していると音無師が言っていた様に、最高の状態でレースに臨んでいたカンパニー。
一番に切れる馬が最高のポジションでレースをした。
そんなことを、簡単に単純にやってのける横山典J、そしてカンパニー。
円熟期を迎えた馬と騎手。そんな最高の時を見させていただきました。
ご苦労さんでした・・