【川崎記念】ハッピースプリント森下師「前走以上」

●三冠をさらわれたカゼノコとの再戦も注目！

－：今回は川崎の2100mが舞台になります。2000mは距離が長いという声がありました。

森：小回りの分、ごまかしはきくと思います。コーナーが6回なので、大井の2000mよりも距離的な心配は減ると思います。ただ、小回りのコーナーを6回回るというのと、久々の左回りというのもありますし、そこはやってみないと分からない部分はありますが、それほどあの馬に関しては心配ないかなと思います。

－：先生のところに来る前(ホッカイドウ競馬在籍時代)に全日本2歳優駿であのコースを走っていました。あの時の走りからイメージしても、やっぱり小回りは気になりますか？

森：大トビで、綺麗なトビをする馬なので、小回りだと馬群も詰まって、窮屈な競馬になるかもしれません。川崎記念レベルならバラけるでしょうし、そんなに心配ないかもしれませんが、コーナーを上手くバランス良く回ることができるかだと思います。大トビですが、上手に走る馬ですから、あの馬はそんなに心配ないと思います。外に膨れるところを見せるかもしれませんが、なんとか我慢できる範囲だと思います。

－：去年の春と比べて、何か変わった部分を感じますか？

森：体がしっかりしてきた感じがあります。強い負荷を掛けた時の反動の出方が、春よりは楽です。左トモの元々の弱さはまだ持っていますが、春よりはそこもマシかなと思います。見た目にもわかる程の疲れ方というのは、あんまり気にしなくなりました。

－：ここで改めて古馬のG1に挑戦します。意気込みを教えて下さい。

森：まだ1回あのレベルで走っただけなので、同じレベルで五分でやれると思わないですが、こういうメンバーと戦って力をつけていかないといけないと思っています。ホッコータルマエがまた出てくるので、どこまで食らいつけるかだと思います。勝ち負けどうこうというよりも、レースをこなして力をつけていければと思います。

－：未来に向けてですか？

森：そういう面で成長して行ってくれればと思います。

－：踏んで行かなければいけないと言うことは、蹴散らすということですからね。

森：期待は当然していますが、ホッコータルマエはやっぱり強いです。今はまだ、3歳を明けたばかりで、ほとんど3歳みたいなものです。そんなに甘くないので、“力試し”という感覚が強いです。

－：今回はカゼノコが出走予定です。再戦となりますね。

森：ファンの人は期待していると思います。また一戦交えることができて、お互い良かったと思います。それでまた競馬が盛り上がってくれればと思いますし、そういうメンバーとしっかりやれる馬を作れるように、我々も頑張って行きたいです。

－：枠順に希望はありますか？

森：ずっと外目を追走すると、コーナーごとにロスが生まれると思うのですが、何とも言えないです。あんまり内目に入って窮屈になったり、砂を被って怯んだりして後手を踏むかもしれませんからね。コントロールできる部分ではないですし、運は天に任せる感じです。

●状態は前走以上！「中身が入ってきた」

－：久々の左回りですが、何か具体的な対策は取られていますか？

森：大井の内コースが小回りの左回りなので、普段の調教にこの中間は入れるようにしています。

－：大賞典で価値ある走りをしてから1ヵ月ぐらい経ちましたが、この1ヵ月は先生にとって想定通り、あるいは予想以上ですか？

森：予想以上ということはありませんが、順調に良化してきてくれました。並脚での粘りと、普段のキャンターが良くなってきました。大賞典の時は、馬がもう少しできてくるなという余裕があったのですが、そこに中身が入ってきた感じです。

－：レースまでに掛ける負荷の全体の量は、徐々に大きくなっていますか？

森：変わらないです。量は変わらないですが、同じことをやっていても、馬に体力がついてくると、徐々に中身がしっかりしてきます。プラスの負荷をどんどん掛けていくのではなく、自然と動きが良くなるにつれて、ストライドも伸びてくるので、速いペースでも楽に走れるようになってきます。これは時間がかかることですが、蓄積してきた上積みが良いところまできている感じです。

－：積み重ねで育てていくのですね。

森：それはどの馬でも一緒です。馬はそうしていくのが健全かなと僕は考えています。それができてないのに乗っせてしまうと、だいたい良い結果にはならないです。

－：土台から大きくしていく感じですか？

森：上のクラスに行くほど、土台をしっかり作った上に積み上げていかないと、良いコンディションでレースに臨むことができないです。負荷量も下のレベルの馬よりも求められるので、下地ができていない上にずっと大きいものを積み上げてしますと、良いコンディションにはなってこないですよね。

－：故障の原因にもなりますよね？

森：なりますね。攻めるほど、体に歪みが出てきちゃうので、下地をしっかり作ってあげないといけません。大賞典の前の方が追い切りに関しては強かったと思います。

－：まだまだ土台を作っている段階ですか？

森：土台作りはずっと続けるもので、なかなか完成するものではないです。そこを作るのをメインに調整しています。追い切りで心肺機能や筋肉を作るのも大事ですが、それ以上に中身の方を大事にしていきたいです。

ハッピースプリント・森下淳平調教師の一問一答(前半)はコチラ⇒

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