ブリーダーズカップ2015の見どころ2[和田栄司コラム]

◆フィリー&メアターフ(3歳以上牝馬/芝11F)31日

グロリアスグッドウッド開催のG1ナッソーSとレパーズタウン競馬場のG1メイトロンSを連勝中のG1・3勝馬レガティシモで負けられない。相手はフラワーボウルSを連覇して挑戦するG1・4勝馬ステファニーズキティンだろう。


◆スプリント(3歳以上/D6F)31日

3歳馬ではG1キングズビショップS勝馬ランハッピー、古馬ならG1フォアゴーSなどG1・4勝のプライヴェートゾーンとサンタアニタスプリントチャンピオンシップSなどG1・2勝のワイルドデュードだろう。昨年G1ビングクロスビーHを勝ったビッグマーカーは準重賞を勝って臨んでいる。サンタアニタスプリントチャンピオンシップS2着のコービーズバック、G1ヴォスバーグS2着のサルートスアミーゴスも捨てきれない。


◆マイル(3歳以上/芝1M)31日

欧州馬中心は揺るがない。ジャックルマロワ賞とサンチャリオットSを連勝中のG1・3勝馬エゾテリックに死角はなさそうだ。G1・3勝馬でディフェンディングチャンピオンの日本産馬カラコンティは、今季6着/3着と通用していない。ラフォレ賞などG1・2勝のメイクビリーヴ、G2ジョエルSを勝ったタイムテストに注目したい。米国勢ではG1シャドウェルターフマイルを勝ったグランドアーチ、ウッドバインマイル2着のリーとファーストレディSなどG1・2勝のテピン、これらがその次のグループと言える。


◆ジュヴェナイル(2歳牡セン馬/D8.5F)31日

カリフォルニアでデルマーフューチュリティ/フロントランナーSなどG1・2勝を含む4戦4勝のナイクイストが、一歩出ている。G1シャンペーンSを勝って東の代表となったグリーンポイントクルセダー、前哨戦のG1ブリーダーズフューチュリティを勝ったブロディーズコーズも要注意。ブリーダーズフューチュリティ2着エクサジェレーターとG3イロコイS3着のアンブライドルドアウトローが、これに続く。


◆ターフ(3歳以上/芝12F)31日

これより総賞金は300万ドル。凱旋門賞などG1・4勝のゴールデンホーンが、ラストランに選んだ負けられないレース。しかし、愛バリードイルのファウンドは中1週で使って来た。いくら凱旋門賞まで使っていなかったとは言え、中1週を2回繰り返すのは非常識である。相手は米国勢と見た。G1・4勝馬で今季もジョーハーシュターフクラシックを勝ったビッグブルーキティン、同3着のG1マンノウォーS勝馬トワイライトエクリプス、同5着のシャイニングコパーはアーリントンミリオンで3着、またアーリントンミリオン勝馬ザピッツァマンもエントリーしている。


◆クラシック(3歳以上/D10F)31日

総賞金500万ドル。G1・7勝、三冠馬アメリカンファラオが引退を勝利で飾れるか、興味尽きない。トラヴァーズSで三冠馬に土を付けたキーンアイス、G1ウッドメモリアルS勝ちのあるフロステッドは、G2ペンシルヴェニアダービーを勝って臨んで来た。愛バリードイルのG1・4勝馬グレンイーグルズも中1週での挑戦になる。しかし、ガリレオ産駒のダート挑戦だけに期待は出来ない。

2001年、同時多発テロに揺れたニューヨーク、ベルモントパーク競馬場の屋上から銃口を向けたシャークシューターの姿を何人も見た。その物々しい警備の中で行われたクラシック、ガリレオは6着、ティズナウとサキーの激しい戦いの前に敗れた。ガリレオはとても小さな馬だった。だからダートでは無理と思っていたが、クールモアの夢なのか、その後もバリードイルのクラシック挑戦は続いている。

三冠馬にとっての強敵は、牝馬のビーホールダーだろう。G1・9勝、今季は5戦5勝、牡馬相手にG1パシフィッククラシックを勝ったのが光る。ジョッキークラブゴールドカップを連覇して臨むG1・3勝馬トナリスト、G1オーサムアゲインS勝馬スムーズローラー、G1・2勝馬オナーコードはG2ケルソS2着からの挑戦となる。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。