遠くに消えた夢舞台

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10月7日にフランス、ロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞に出走を予定していたウオッカ(牝3、栗東・角居厩舎)に降りかかった突然のアクシデントは、ダービー制覇という偉業を果たした3歳牝馬に過酷な現実を突きつけた。

ウオッカにアクシデントが起こったのは今月2日。調教後に右トモの歩様が悪化し、検査の結果、「蹄球炎」と診断されたのである。
幸い症状は軽かったものの、調教を4日間休んだことによる調整の狂いを重く受け止めた角居師は、無念の「凱旋門賞出走断念」を決意した。

当サイト内の人気コンテンツ【競走馬解体新書】を担当する山本剛獣医によれば、「『蹄球炎』とは、運動中、調教中や競走中に反対の脚で蹄を蹴ったり、後ろ脚が引っ掛かったりして発症します。今回は後ろ脚ということですから、ウッドチップの破片によるものという可能性もあります。軽度のものなら2~3日、重度のものでも10日前後あれば治ります。正直、そこまで重いケガとは言えませんが、ウオッカほどの馬ですからね。陣営も慎重に慎重を期したのでしょう」とのこと。

今後は、秋の国内レースを視野に再調整されるというウオッカ。
夢舞台へのトビラが閉ざされた悔しさを、日本のファンの前で晴らす走りが期待されるところである。