阪神ご自慢のビシエド』…古くからとある一部の地域に伝わるこんな言葉がある。『本拠地』と言えるほど相性がいい横浜スタジアムで3連勝し、今日から敵地であるナゴヤドームに乗り込み中日ドラゴンズとの3連戦に挑んだ我らが阪神タイガース。初回に満塁のチャンスを作り、6番梅野隆太郎捕手がランナーを一掃するツーベースで3点を先制したものの、中日の主砲ビシエド選手にスリーランを浴びて4-5で敗れた。いつもビシエド選手に打たれて負けている。まさに阪神ご自慢だ。

ただ梅野選手の活躍は特筆モノ。扇の要として、野球の中でも特に重視されるポジションであるキャッチャーの梅野選手は今年、打率3割5分に到達するほど好調だ。足の指を骨折しながらこの成績、素晴らしいの一言である。ワンバウンドしたボールも後ろにそらさず、強肩で数々の盗塁を阻止してきた守備も、阪神を幾度となく救ってきた。

先発の西勇輝投手はビシエド選手にホームランを打たれたとはいえ、今季はこれまで阪神の先発陣で最も信頼できる投球を続けている。次回登板にまた期待したい。ビシエド選手が何か間違えて阪神に入団することにも心の中で期待している。


さて、日曜の中央競馬の話に移ろう。


京都11R・天皇賞(春)。平成最後のG1については動画、"内ラチの上を走れ!"も参考にしていただきたい。

天皇賞(春)の予想動画は⇒


内にヴォージュ、メイショウテッコン、そして大外にロードヴァンドールと、ある程度行きたいであろう馬は3頭いる。ハナに行きたいのは前走の阪神大賞典で、同レース直近10年で前半1000mを一番速いラップで逃げたロードヴァンドールではないか。この馬は血統的にもワンペースなところがあるため、序盤に位置を取りに行く、となるとある程度速い流れが見込まれる。

過去10年の天皇賞(春)において、前半1000m通過が60秒を切ったのは13年と17年の2回。

13年
1着フェノーメノ→母父デインヒル…スプリントC1着(芝1200m)
2着トーセンラー→母父リシウス…ミドルパークS1着(芝1200m)
3着レッドカドー→父カドージェネルー…ジュライC1着(芝1200m)

17年
1着キタサンブラック→母父サクラバクシンオー…スプリンターズS1着(芝1200m)
2着シュヴァルグラン→母父マキャヴェリアン…モルニ賞1着(芝1200m)
3着サトノダイヤモンド→ 母父オーペン…モルニ賞1着(芝1200m)

このように、どちらの年も3着以内の馬は全て、父か母父はマイル以下のG1を制していた。3200mという距離の割に、前半下り坂が待っていることで天皇賞は意外とペースが速くなりやすい。速い流れに対する追走力、そしてこの時期の京都らしく走破時計が速くなることからスピードも求められるのだ。

今年父か母父がマイル以下のG1勝ち馬はクリンチャー、グローリーヴェイズ、チェスナットコート、フィエールマン、メイショウテッコン、ユーキャンスマイル、リッジマン、ロードヴァンドールの8頭。

もちろんスタミナ血統も必要で、とにかくトニービンとニジンスキーの血を持っている馬が3着以内に入るだけに、このどちらかの血を持っている馬も重視したほうがいいだろう。上記8頭でトニービンかニジンスキーを持っている馬はチェスナットコート、フィエールマン、ユーキャンスマイル、リッジマンの4頭。

ユーキャンスマイル。父はNHKマイルを圧勝したキングカメハメハ、祖母は現役時代スプリンターだったリープフォージョイ。潜在的スピードはある。母父は菊花賞馬ダンスインザダーク。直仔になるとレースに飽きやすく、初距離となる菊花賞と違い、何度も3000m以上を経験することで天皇賞(春)はレースに集中し切れず成績が悪い。しかし母父に入れば気性的な悪影響は少なくなり、スタミナを伝える良質なプルードメア・サイアーと化す。

以前はトモが緩く、右回りでは直線で内にモタれる悪癖があった。レースを重ねるごとにその面は解消されており、直線で捌きやすくなる少頭数もいい方向に働くだろう。岩田騎手が2度目の騎乗となる点も大きい。

エタリオウの母父カクタスリッジはG1勝ちこそないものの、現役時代はマイラー。エタリオウ自身は集中力を欠くタイプで乗り難しいが、相手が強くなればパフォーマンスを上げるタイプだけにG1替わりはいいだろう。菊花賞はスローペースの分早めに動き、フィエールマンにやられてしまった。流れがある程度速ければ競馬もしやすい。

マンハッタンカフェ産駒は天皇賞(春)で(1.0.1.4)、菊花賞で(0.0.0.15)と成績がハッキリ分かれるタイプの種牡馬。ダンスインザダーク産駒とは真逆のベクトルを持つ。理由を説明すると長くなるので割愛するが、同産駒のメイショウテッコンも菊花賞よりは天皇賞向きだろう。ロードヴァンドールが強気に攻めるとして、早めに捕まえに行き心臓の良さを活かす、思い切った戦法なら面白い。

トニービンを持つハーツクライを父に、NHKマイルCを勝ったクロフネを母父に、スプリント重賞3勝のダッシャーゴーゴーを叔父に持つチェスナットコートも配合は天皇賞向き。枠も悪くない。昨年似たような条件ととなり◎にしたが、あと一歩に迫る5着であった。最近まで調教の動きが悪かったため4番手評価としたものの、穴馬として面白い。

ロードヴァンドールがそれなりに厳しいラップを刻んだ場合、一番影響を受けるのはディープインパクト産駒だろう。菊花賞馬フィエールマンは展開との戦いを強いられることになりそうだ。

天皇賞(春)
◎ユーキャンスマイル
〇エタリオウ
▲メイショウテッコン
☆チェスナットコート
△⑩、⑫、⑬


トライアルというのはやはり権利を巡ってそれなりに厳しいペースのレースになりやすい。これは昨日の当コラム、青葉賞のくだりでも似たようなことを書いた。東京11R・スイートピーSも同様で、もちろん切れ味も求められるが、やはり距離延長馬より距離短縮馬のほうが幅を利かせる。ここ3年の3着以内馬9頭のうち、5頭は前走2000m以上だ。

今年距離短縮馬は3頭。その中でも◎クールウォーターの新馬戦の数字は悪くない。道中緩かったとはいえ、レースラップの上がり3Fは11.9-11.8-11.3。11秒台が並び、ゴールに向けてラップが速くなる、いわゆる加速ラップを踏んでいる。そんなレースで2着を3馬身離した脚力は非凡、上がりが速くなるレースは通常着差は付きにくい。決して相手も弱くはなかった。前走の大寒桜賞は3着とはいえ、勝ち馬は土曜の青葉賞を勝ったリオンリオンである。

父サンデー系、母父フレンチデピュティの組み合わせは昨年2着のミュージアムヒルと同じ。サンデー系×ノーザンダンサー系の馬は持続力にも優れるため、毎年のようにこのレースで3着以内に入っている。兄のマウントシャスタは毎日杯2着、カミノタサハラは弥生賞1着、ベルキャニオンはプリンシパルS1着と、この一族はトライアルに強い点もポイントだ。


その他からは合計2R取り上げる。


まずは京都1R・3歳未勝利エイシンポジション。父はオルフェーヴル。三冠馬だけに芝というイメージを持つ方も多いかもしれないが、意外とダート馬が多い。小柄な種牡馬ということもあり、身体を大きくするために大柄なアメリカ血統の繁殖牝馬を掛け合わせていることが理由だろう。実際前走芝から今回ダート替わりで(13.11.6.95)複勝率24.8%に対し、前走ダートから今回芝替わりで(0.3.2.54)複勝率8.5%という状況だ。

エイシンポジションも上記パターンと同じ。母父コロナドズクエストは米ダートG1トラヴァーズSを勝ったフォーティナイナー産駒コロナドズクエスト。母父フォーティナイナー系のオルフェ産駒は、他にラッキーライラック、エポカドーロがいる好配合パターン。調教はよく動き脚力はあるのだが、少々怖がりな点が気になる。そう考えれば、ダート替わりで大外は絶好の条件かもしれない。母エイシンパンサーも2勝目はダートだった。


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