一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週こそは勝利をつかみます!
2014/11/13(木)
レースの回顧ですが、アルゼンチン共和国杯のコスモロビン(12人気⑩着)は道中上手く運べたものの、最後の反応が本当に少しだけ。いい時はそこからグングングンと伸びてくる馬なのですが、今回もそれがありませんでした。京王杯2歳Sのマイネルグルマン(12人気⑧着)はやっぱりいい馬です。ただ、緩さがあってこれから良くなっていくだろうという体なので、先々に期待したい、してほしいと思いました。マイネルマーク(12人気②着)は、いい頃の感じに戻っていました。展開も向いて、一瞬勝利が頭をよぎりましたが、相手が一枚上でしたね。それでも、改めて準オープンは勝てる馬という感触を得ることができました。
この土曜は東京で9鞍に騎乗します。武蔵野Sはトウショウフリークに乗せていただけることになりました。意外にも東京の1600は初めての馬なので、ポイントは脚の使い所だと思っています。僕の中には長くいい脚を使えるイメージがあるので、その持ち味を生かせる騎乗を心掛けてみます。3Rのビレッジトプテムは能力を感じるのですが、まだまだ子供っぽいんです。東京は二度目で条件も同じなので、前走を覚えてくれていれば、走り切ってくれればもっとやれていい馬です。9Rのマコトダッソーの初ダートは合うと思います。ダートの調教でも大分いい動きをしているようなので、ここで変わってくれませんか。凄くいいものを持っているんです。
日曜も東京で10鞍に騎乗します。2Rのサンタナブルーはデビュー戦の5着に能力があるところを感じました。一度使うとテンションが高くなりそうな感じがしたので、落ち着いていてくれればチャンスがあるでしょう。5R(2歳新馬)のマイネルデアデビルは、ここ3週調教に乗せていただいて、凄く能力を感じます。馬の状態を見て1週延ばしてもらったのもプラスに出るのではないでしょうか。とはいえ、使いつつ良くなっていくタイプという気がしないでもないので、もし初戦で結果が出なくてもゆくゆくは走ってくる馬だと思います。6Rのエターナルヒーローはレースで初めて乗りますが、500万は一度勝っている馬。持ち味を引き出して結果を残せるように頑張ります。オーロカップのマイネルディアベルは東京1400がベストの舞台。ハンデの53キロを生かして上手く立ち回れれば、十分にチャンスがあると思います。
今週は月曜に六本木の新国立美術館でチューリヒ美術館展を観てきました。個人的にお奨めできる作品がたくさんありますので、これはちょっと足を運んでいただきたいです。12月15日(日)までやっているようです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。