一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
昨年の雪辱を果たしたい東スポ杯!
2014/11/20(木)
武蔵野Sのトウショウフリーク(10人気⑨着)は、流れに乗って折り合ったところでまた脚を使うというレースになってしまい、条件が忙しすぎる感じがしました。小回りコースでもう少し距離があったほうが、この馬には合っている気がします。初騎乗のエターナルヒーローは馬の気分を害さないことを心掛けて、ハミを取ったところで動いていくという競馬。内容は良かったのですが、流れに乗れた馬に残られてしまったという3着。それでも後続に4馬身差ですから能力は感じました。
この土曜は東京で6鞍に騎乗します。2Rのコスモボアソルテは調教を見てもテンションが高くなっているので、当日落ち着かせて競馬まで向かえればなと思います。前走も返し馬で気合いが入りすぎて大変だったんです。今回はゲート裏までメンコを着けてくれるということなので、普通に走ってくれれば当然チャンスがある馬です。4Rのコスモカンプは一度使ってのマイルなので距離は気にしていません。なかなか勝たせられていないので、今度こそはという気持ちでいます。11Rのタガノトネールの前走はかなりペースが速かったですし、内枠も響いて行きっぷりが良くなかった印象。広い東京コースの1400で競馬もしやすくなりそうなので、力を発揮できれば結果はついてくるでしょう。
日曜は東京で9鞍に騎乗します。2Rのホワイトウインドは権利持ちの馬も多い一戦ですが、ここ2戦は着順に内容も伴っています。東京で2戦目の上積みを考えれば、今回もいい競馬をしてくれるはずです。7Rのマイネオレンジの前走は内枠とスローペースで自分の競馬ができませんでした。枠順に沿った競馬をしてあげれば力は間違いなく上ですから、勝たせてあげなければいけません。12Rのマイネルイルミナルは開催場を問わずコンスタントに走ってくれる馬。休み明けはポイントになりますが、能力的にも頑張ってくれると思います。
3日間競馬の最終日、月曜も東京で6鞍に騎乗します。東京スポーツ杯2歳Sのマイネルシュバリエは帰厩後も順調に乗り込めましたし、ひ弱で芯が入ってないところがあった馬が、しっかりしてきたという印象です。メンバーは揃っていますが、この馬だって札幌2歳Sで2着なのですから自信を持って臨みます。個人的にも昨年2着だった雪辱を果たしたいところです。初めて乗る馬ですが3Rのコスモトリスタンも力がありそう。成績から今回も人気しそうですが、応えられるだけのイメージを持って乗りたいですね。
水曜日、マイネルラクリマが12月14日の香港カップに選ばれたという吉報が届きました。今回は2000mになるので、持ち味を出すには絶好の舞台。前回の香港はマイル戦で、流れに乗ったところで終わった印象だったので、距離が延びて前進できそうな感触があります。2度目のアドバンテージで頑張りたいです。ここで勝てたら最高だろうなという想いを抱いた地に、人馬とも最高のコンディションで向かいたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。