一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
改めてマイネルシュバリエに期待!
2014/12/25(木)
この土曜は中山で9鞍に騎乗します。3R(2歳新馬)のコウギョウゴールドは先週追い切りに乗せていただきました。ちょっとモタれたり、他馬を気にする面もありますが、その辺りに気をつけて乗れば、いい競馬ができるだろうという感触を得ることができました。力を秘めている馬だと思います。10Rのマイネルマークは2走前の東京(2着)で、絶好調時の状態に近いなと感じました。速い脚がないので仕掛け所に気をつけて乗りますし、当時からもう少し良くなっていれば、また上位に食い込めてもおかしくありません。12Rのマイネルイルミナルの前走は格上挑戦で4着と頑張ってくれました。500万なら楽勝と思われる方もいるかもしれませんが、相手なりがこの馬のいいところでもあり、弱点でもあるんです。とはいえ、勝利から随分と遠ざかっているので、何とか勝たせてあげたいと思っています。
今年最終日となる日曜も中山で8鞍に騎乗します。ホープフルS(9R)のマイネルシュバリエですが、前走の考えられる敗因は馬体重だと思います。随分と乗り込んだのですが、あんなに増えているのは誤算でした。今回は結果を残している右回りに戻りますし、中山のコース形態も合うと思うんです。今週の追い切りで好調も確認できたので、もう一度皆さんも期待してください。息の入りなどから絞れているとは思うのですが、馬体重は参考にしたほうがいいかもしれません。相手は強くなりますが、あんなものではないということをお見せしたいです。
他では、4R(2歳新馬)のコスモヨハネがかなりいい動きをしています。粗削りな馬なのでコントロールするのに苦労しそうですが、凄くスピードもバネもあるんです。気性的にもいきなり走れそうな雰囲気がありますね。6Rのテイクエイムはゲートが難しかったり、末脚が持ち味の馬なので展開に左右される部分もありますが、かみ合えば突き抜ける力を持っています。先日勝たせてもらったイーグルカザン的なイメージですね。11Rのクリノタカラチャンは凄くスピードがある馬で、前走はなかなかしぶとく粘ってくれました。ただ、かなり一生懸命走っていたので、中1週のローテは若干気になります。小柄な馬なので、馬体重は減ってほしくないところです。
最終週の騎乗を残していますが、今年の更新はこれが最後になります。目標としてきた60勝には到達できなかったものの、昨年の43勝を超えることができ、重賞も2勝できましたし、及第点と思わなければいけない部分もあります。香港で騎乗させていただいたのも、自分の中では大きな財産になりました。そのひとつひとつを来年に生かせるよう、努力を積み重ねていきます。2014年も柴田大知を応援していただき、誠にありがとうございました。新年はご挨拶と抱負を兼ねて、初日の騎乗までに更新させていただきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。