一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
流れが変わった中山開催
2015/3/5(木)
この土曜は中山で8鞍に騎乗します。1Rのサルビアは距離が延びて競馬がしやすくなりそう。着順は上げられそうなイメージです。3Rのマイネルプロンプトの前走は案外でしたが、初めてのダートと中山替わりはプラスに出るでしょう。力はある馬なので、巻き返したいところです。5Rのアキトジュピターもいい背中をしていて能力は高いのですが、気性的にこの開催場替わりがどう出るか。当日落ち着いて臨めるようなら、チャンスもあると思っています。9Rのシルヴァーコードは久々の分と距離がどうかですが、溜めが利けばいい脚を使ってくれるというイメージ。ただ、展開がかみあえば昇級緒戦でも差はないはずです。
日曜も中山で5鞍に騎乗します。3Rのグランデソングは追い切りに乗せていただいて、なかなかいい動きをしました。これならという反応でしたが、その反面で幼さも気になります。どちらかと言うと、レースを覚えつつのタイプかもしれません。5Rのクートネイは、前走はゲートの出が悪かったことが全てで、絶対に中山のほうがいい馬。しっかり出して、自分のリズムで走らせてあげればしぶとく粘ってくれるはずです。12Rのコスモミレネールの前走は、道中絡まれてしまったことが敗因です。押していくと掛かってしまうところがあって、終始自分のリズムで走らせてあげることが肝心。展開面に左右されてしまいますが、立ち回りひとつでチャンスもあると思っています。
先週はコラムを更新した後の金曜日、今でもまだ信じられない後藤浩輝騎手の訃報がありました。とても面倒見がいい先輩で、デビューした当時に色んなところに連れて行ってもらって…。特に未崎と三人で行ったボン・ジョヴィのコンサートが忘れられません。何があったのかは分かりませんが、何度も怪我で辛い思いをし、人一倍悩んでいたのだと思います。後藤さん、ゆっくり休んでください。本当に良くしてもらってありがとうございました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。