
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ダイチに大知が騎乗します
2015/3/26(木)

ウインマハロもレース内容としては完璧だったと思います。あれは相手が悪かったと割り切って、次に臨むしかありません。コスモエルデストは途中から掛かってきてしまった馬がいて、少しペースを上げざるを得なかったのが最後で響きました。ベストは1400だと思いますが、中山ならマイルでも我慢が利きますね。一方、フラワーCのアフェクシオンは、以前にも増してハミ掛かりが良すぎて一生懸命。言い方を変えれば、遊びがなくなっている感じの走りでした。その辺りを工夫していかないと、マイルでも厳しくなるかもしれません。力はある馬なので、考えながら調教していきたいです。

開幕週の土曜は中山で6鞍に騎乗します。日経賞のマイネルメダリストは、ここのところ自分で最後まで走ろうとしないんです。力はある馬ですし、いい頃と比べても体は問題ないと思うので、どこまで気持ちが途切れずに頑張ってくれるかです。4Rのマイネルプロンプトは、叩き3戦目で中山芝1800という条件なら何とかしたいところ。デビュー前から期待している馬だけに、引き続き力が入ります。5Rのウインオリファンは、力を出し切れれば500万でも全然やれる馬です。ただ、気性が凄く難しくて、そう簡単にいくとは…。とにかく、すんなりした競馬を心掛けて乗るだけです。10Rのテイクエイムの前走は気合乗り、テンションが高すぎたという印象。返し馬を落ち着いて行かせて、競馬でも前半力まずに走らせてあげたいです。流れが味方すれば、準オープンでも差はないと思っています。
日曜も中山で8鞍に騎乗します。4Rのマイネルフレッチャは、外目からジワッーと自分のリズムで行かせる競馬が理想。前走は枠順もあって嫌々で内に入れたのですが、馬はいい頃に戻ってきていたので、その状態をキープしていればチャンスがあると思います。10Rのマイネルマークは、もう少し距離がほしいところですが、今の中山の時計が少し掛かる馬場は合っていると思います。54キロのハンデで、最後までしっかり走れれば着順は上げられそう。12Rのウインネオルーラーは転厩緒戦がどう出るかですね。環境は変わりましたが、色々と工夫した部分があり、馬が落ち着いて素直になっていると聞きました。前走もレースは上手く運べたのですが、更なる前進があるかもしれません。

今週は小ネタに乏しいため、別枠で土曜3Rに出走するダイチを話題にさせてください。これまで二度同じレースで走っているのですが、乗っているジョッキーにも「なんでお前が乗ってないの?」なんてチャカされたりして、いよいよ出番がやってきたという感じなんです。騎乗が決まった時には思わず笑ってしまいました。実況放送に注目しつつ、ダイチと大知を応援してください。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。