一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
力が入る日曜の福島遠征
2015/4/9(木)
この土曜は中山で11鞍に騎乗します。ニュージーランドTのコスモナインボールは先週乗せていただいて、結構しっかりと追い切りました。今週はさらっとやる程度で態勢は整ったと思いますが、まずは競馬でキッカケを掴むことが第一。長く脚を使えることがセールスポイントなので、いい面を引き出してあげたいです。
9Rのコスモスターターはダッシュが利かない馬なので、その後の立ち回りが重要。前走は自分のリズムで走れているなと思っていたのですが、外を回ったら脚が残らなかった感じ。進路と流れひとつで着順は上げられるイメージです。10Rのマイネルアイザックは中山コースが合いますし、ここのところブリンカー効果で集中力が増しています。絶好の舞台なので、今回も力が入るところです。12Rのイッツガナハプンは休み明け3走目ならもっと走れていい馬。この条件も合っていると思いますし、前進を期待している一戦です。
日曜は福島で9鞍に騎乗します。もちろん福島民報杯(11R)のマイネルミラノは力が入ります。中日新聞杯の中間は、小倉で頑張ってきた疲れを感じたりもしていたので、あれだけの走りは自分の中でも想像以上でした。今週の追い切りは「いい時の状態に戻ってきたな」と思えるものだったので、ここは何とか勝たせてあげたいです。
1Rのマイネルヴォーダンは福島向きだと思います。坂のあるコースではあとひと押しが利かないので、平坦小回りで粘り込むような競馬が理想です。6Rのディナミックも新馬好走のコースで改めてという一戦。前走で感触は得ているので、違った面を見せられそうです。7Rのウインマハロは今週の追い切りが良かったです。この馬もイメージがあるので、内で脚を溜める競馬ができれば十分チャンスでしょう。10Rのマッチレスヒーローは、合うかなと思っていたのですが、前走は結果として長い距離で集中力が続きませんでした。福島で好走している実績もあるので、巻き返しに力が入るところです。
今週は、週の頭に北海道に行ってビッグレッドファーム、ミルファーム、錦岡牧場と巡り、2歳馬に乗せていただきました。週末の桜花賞を皮切りに3歳クラシック戦線が始まりますが、牧場サイドでは次の世代を送り出す準備が進んでいます。もうすぐ入厩かと思うと、本当に早いですよね。新馬戦からいいところを見せられたらと思っている馬もいるので、デビューの際は小ネタを交えて紹介していきますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。