一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
皐月賞はワンダーアツレッタに騎乗
2015/4/16(木)
一方、福島民報杯のマイネルミラノはスムーズに流れに乗れて、4コーナーまでは「勝ったな」と思ったほどでした。そこから直線に向くと気持ちが途切れてしまったのか全く反応がなくなってしまって、いまだに敗因が分からないんです。中間の気配が一息でも走ったりする難しい馬なので、改めてやり直していきたいと思います。ニュージーランドTのコスモナインボールは力を出し切っているものの、もうひと脚ほしいというのが正直な感想。上手く運べて直線で前も開いたのですが、そこからが反応できない感じ。状態は良さそうだったので、相手関係もあるのかもしれません。
この土曜は中山で10鞍に騎乗します。2Rのエイコオアルバは、前走ゲートの中でしっかり立てずにいいスタートが切れなかったのですが、中間リフレッシュして立て直したと聞いています。スタートさえ五分ならいい勝負になるという感触を持っています。6Rのコスモヨハネは、スタートを出てもあまり進んで行く感じはしない馬。だいぶ競馬を覚えてきているので、上がりにいい脚を使わせられれば結果が出るはずです。9Rのウインオリファンは、かねてからお伝えしているように力があります。頭数も少ないですし、最後まで気持ちが途切れないように走らせられれば、芝でも問題ないと思っています。12Rのマイネルボルソーは、1000万に入っても流れさえかみ合えば足りるイメージ。乾いた馬場は歓迎なので、淡々と流れるペースになればしぶとく粘り込むシーンもありそうです。
最終日の日曜も中山で11鞍に騎乗します。皐月賞はワンダーアツレッタに乗せていただきます。3枠4番といい所を引けたので、前半スッと進んで好位で粘りこむという理想の競馬ができそうです。自分が得意とする脚質だと思っていますし、全てのレースを見てイメージはできています。当日に先生から話も聞いて、最善の策で臨みたいです。
4Rのマイネルフレッチャですが、前走は先着された馬が強かっただけでいい内容だったと思います。調子も上げて自分の型をつかめてきたので、今回も相手次第というところ。8Rのコスモドームはスタートが鍵ですが、中間ゲート練習を入念にやってくださっているよう。このクラスは勝てる力があるので、それは今回だと信じて頑張ります。レースでは初めて乗りますが、10Rのブルーストーンは2週続けて追い切りに乗せていただいて好調を感じています。芝、ダートは問わなそうな馬なので、52キロなら十分チャンスがあると思います。
皐月賞ウィークと言えば、最終レース後に中山競馬場のパドックで恒例のジョッキーイベントがあります。毎年かなり盛り上がるのですが、今年も期待を裏切らないバトルが繰り広げられそうです。僕たちも楽しみにしていますので、ファンの皆さんも是非、参加してみてください。詳細はJRAホームページにてご確認ください。
http://www.jra.go.jp/news/201503nakayama/
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。