一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
体力アップに水泳を始めました!
2015/5/14(木)
NHKマイルCのコスモナインボール(16人気⑩着)は、上がりもしっかり脚を使って頑張ってくれました。ただ、ひとつ言うならゲートの中が悪すぎて、しっかり立っていられずにスタートが良くなかったこと。せめて中団くらいに行けていたらと思うと悔やまれます。プリンシパルSのマイネルシュバリエ(18人気③着)は、道中勝てるかと思ったほどで、この馬の力は精一杯出せました。中間は3週付きっ切りで考えながらやってきて、自分的にも「これで走らなかったら」という思いで臨んだので、それに馬が応えてくれたことに感謝しています。札幌で頑張ってくれた時の走り、力があるところを見せてくれました。これからもひとつひとつ教えながら、いい競馬を続けていきたいです。
余談ですが、このレース後に京都12Rで未崎がマイネルハルカゼ(11人気)で勝ちました。色々と努力していることを知っていて、あの勝利には嬉しくなりましたし「続けての人気薄。さすがは兄弟だね」ということも言われました(笑)。自分も前に乗ったことある馬なのですが、いいところを引き出した見事な騎乗だったと思います。
この土曜は東京で8鞍に騎乗します。3Rのリシーハットはデビュー前に牧場で乗せていただいたことがある馬。当時からいい動きをしていたのですが、なかなかヤンチャな部分があって力を出し切れていないという現状。それでも前走はダート替わりでいい競馬をしていたので、もう少し前進が見込めそうです。12Rのブルーボサノヴァは展開に左右されるのですが、東京コースは合っています。ここ数戦に比べて条件は良くなるので、着順は上げられるはずです。京王杯SCは初めてエールブリーズに乗せていただきます。東京1400mという舞台はこの馬に一番合っていると思いますし、自分としては三浦騎手で勝った奥多摩Sの印象が強いです。週末までじっくりと研究して、何とかチャンスをモノにしたい一戦。重賞で相手も揃っているようですが、適性を生かした乗り方で頑張ります。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。3Rのパラダイスガーデンは、前走があまりにもついて行けなかった。砂を被るのも良くないので距離を延ばすことになるのですが、ごちゃつかないスムーズな位置で立ち回れるかがポイント。難しいところがあるため、連闘がどちらに出るかは当日まで分かりません。4Rのコスモカンプはそろそろ勝たせてあげたい。前走はしっかり頑張ってくれたので、同じだけ走れればチャンスだと思います。8Rのマイネプレセアは、道中の手応えほど反応できていない印象。1600mでは少し行きたがるのですが、なだめて最後にもうひと脚という競馬ができれば前走ほど負ける馬ではないはず。スムーズな競馬をさせすぎると甘くなってしまうというイメージなんです。
ここのところ暑くなってきたので、体力アップに水泳を始めました。近所の小学校が温水プールを一般開放しており、泳ぎ方をネットで調べながら自己流でやっている感じ。段々と息継ぎも上手くなって、長い時間泳げるようになりましたし、無心で泳いでいると凄くリラックスできるんです。自分は考えすぎるようなところがあるので、体力面以外にもリフレッシュ効果を感じています。夏場に12鞍乗ってもバテないように平日も頑張ります!
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。