一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週こそ決めたいメモリアル
2015/7/23(木)
この土曜は中京で4鞍に騎乗します。レースで初めて騎乗するので詳しいことは言えませんが、関西馬3頭に乗せていただけるのはありがたいこと。乗る機会が多い競馬場ではないので、この遠征を待ち遠しく思っていました。10Rのマイネルディアベルは、降級緒戦の前走で力があるところを見せてくれました。さすがに直後はダメージがあったようで少し間隔は空きましたが、条件ピッタリの適鞍だと思うので、能力と状態面を信じて臨みます。多少時計が掛かったほうがいいイメージもあるので、最終週の馬場は合うと思います。
日曜は福島に移動して9鞍に騎乗します。2Rのマイネルリプケンは、この開催で勝たせてあげたい。前走はハナに行きましたが、位置取りには拘るタイプではありません。福島コースは合っている馬なので、持ち味を生かしつつ押し切れればと思っています。7Rのコスモジョイジョイは、前走内容がなかなか良かった。前半に脚を使える馬ではないのですが、最終週の馬場で展開が向いてくれれば上位争いも可能でしょう。9Rのマイネルスパーブは小回りの福島コースはベスト。連闘で状態面が鍵ですが、それさえ保てていれば今回も差のない競馬ができるはず。
11Rのマコトブリジャールは、小倉で勝たせていただいて、秋華賞も一緒に挑んだ馬。凄く真面目に走ってくれるという印象で、またオープンで乗れるのは本当に嬉しいです。とても小柄な馬のため輸送が心配ではあるものの、むしろ久々が良いほうに向いてくれるのではないでしょうか。12Rのサンタナブルーは今回が初芝。それでも血統から対応できるでしょうし、自分のイメージとしては悪くないのではないかと。500万は勝てる馬だとも思っているので、新たな一面に期待したいです。
今週は月曜が祝日だったので、ユ二ホームを着て我が家の子供達が応援しているDeNAベイスターズの試合を観に横浜スタジアムへ行ってきました。途中で追い上げながらも試合は負けてしまって、その後は連敗……。それでも、前半戦は首位に立っていたわけで、やっぱりどの世界にも流れというのはあるんですね。選手は何時も一生懸命にやっているのも関わらず、その回ごとにやっぱり展開があって、競馬と通ずる部分を感じながら複雑な気持ちになりました。今は自分も決していい流れではありませんが、区切りの300勝のタイミングで変えられるように必死で頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。