一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
新潟2歳Sはペルソナリテに騎乗
2015/8/27(木)
この土曜は新潟で8鞍に騎乗します。1Rのパラノーマルは、新馬戦が競馬と分からずにボーッとしていたという印象。ゲートをあまり出て行かず、道中も終始フワフワしていました。追い出してからの反応は良かったですし、タイプ的に今回の距離延長で流れにも乗って行けるはずです。3Rのクートネイは、過去2回ダートを使った時に比べれば状態が良さそう。芝の切れ味勝負になると少し分が悪いので、条件替わりでしぶとさを生かせれば前進が見込めます。6Rのコスモピンパーネルはゲート再試験明けなので、今回もスタートには気を配りたいところ。スタートを出して、中団について運べればメンバー的に差はないはず。立ち回りが重要な一戦になりそうです。12Rのグレンデールは、道中反応がなかった前走の敗因がよく分かりません。自分が乗ったその前の2走からもあんな馬ではありませんので、当時は2走ボケだったと割り切って勝ちにいきたいと思います。左回りの新潟コースは初めてになりますが、その部分は心配していません。
日曜も新潟で6鞍に騎乗します。先週も話題にした新潟2歳Sのペルソナリテは、無理せずサッと流しただけの最終追い切りは思ったよりも時計が出ました。まさに具合が良い証拠だと思いますし、適度な落ち着きがあってカイバもしっかり食べているとのこと。状態面に関しては万全で迎えられる一戦で、1600mの新潟外回りというのもかなり適した舞台。馬を信じてスムーズに捌いてあげれば、自ずと結果はついてくるはずです。朱鷺Sのゼウスは初めてですが、同じレースに乗っていた前走がしぶとかった。ある程度の好位から粘りこむという競馬が合ってそうなので、そのイメージで結果を出せるように頑張りたいです。3連勝というのはなかなかできない芸当ですから、今が一番充実しているのだと思います。
3Rのコスモカンプは前走も時計的には十分走っています。能力上位は間違いないので、今回もゲートに注意して、最善の立ち回りで勝利を目指します。6Rのマイネルイルミナルは、スタートが速い馬ではないので2000mはプラス。長い向正面で上手くポジションを決めて、長くいい脚を発揮させてあげたいです。休み明けに一抹の不安はありますが、崩れずに走ってくれるはず。8Rのハッピーサークルは前走の返し馬で凄くいい感触を持って、レースでもその通りに走ってくれました。相手も強い東京コースであれだけやれる馬ですから期待しています。ただ、反動があって間隔が空いたようなので、当日の気配は気にしたほうがいいかもしれません。
先週は日曜の結果に肩を落としましたが、小倉競馬後に熊本の知り合い宅に泊めていただき、植木温泉などで英気を養ってきました。デビュー当初、先輩に連れられて行った六本木でバーをやっており、そこから20年近くも応援してくれているという恩人。久しぶりの再会で身が引き締まる思いでした。翌月曜には無事に帰って来たのですが、少しタイミングがずれていたら台風直撃に遭遇していたところ。九州方面は大変だったようで、今夏も競馬に影響がないように祈ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。