
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
新潟記念はマイネルミラノに騎乗
2015/9/3(木)
新潟2歳Sのペルソナリテ(5人気④着)は、正直なところ相手も強かった。小柄で切れ味が身上の馬なので、瞬発力が生かせる良馬場がやっぱり理想。②着馬にも離され、後ろからも差されてしまったので、あの負け方は馬場が堪えたのだと思います。距離はマイルまでなら気になりません。



この土曜は新潟で10鞍に騎乗します。2Rのマイネルツィールは小柄な馬ですが、一戦毎に競馬を覚えてきています。とりわけ前走はチークピーシズの効果で集中して走れていたので、改めて好レースを期待。4Rのダッシングブルーはブリンカーを着けてから攻め馬でも動きが変わってきました。乾いた馬場でしぶとさを生かしたいタイプなので、今週の天気予報なら前進が見込めます。5R(2歳新馬)のリュイールスターは、2週続けて追い切りに乗りました。凄くいい動きをするものの、まだ体が緩いところがあって右にモタれるのが弱点。初戦はこの部分がどう出るかがポイントだと思っています。
6Rのハーベストソングの前走は、前半から絡まれる厳しい競馬。東京コースで好走しているように、直線の長い新潟は問題ないはずなので、今度は長くいい脚を使わせて巻き返しを狙います。11Rのマイネルメリエンダは本来、準オープンであれば地力は断然。状態がいいとは聞いているものの、一回使ってグンと上昇するタイプ。緒戦はテンションが上がって気負うところがあるので、当日の気配に注目されたほうがいいかもしれません。12Rのウインネオルーラーは前走が本来の姿。スムーズな競馬さえできれば、このクラスは押し切れるはずです。
日曜も新潟で11鞍に騎乗します。新潟記念のマイネルミラノは、今週の追い切りが抜群の動き。申し分のない状態で臨めます。新潟の外回りですし、他に出していく馬もいそうなのでハナには拘りません。道中フワッとさせると抜けてしまう感じがあるので、遊ばせないように集中させて、長くいい脚を使わせるイメージで乗ってきます。1Rのコスモレティクルムは、距離が延びた前走でいいところが出ました。瞬発力があっていい脚を使うので、良馬場でセールスポイントを生かしたい。連闘になる3Rのコスモカンプは、先週は不良馬場で時計が速くなりすぎました。使い込むのがプラスというタイプではないものの、馬場さえ乾けば頑張ってくれるはず。
5R(2歳新馬)のマイネルラフレシアは乗り込み十分で、ひと追い毎に反応が良くなっています。気性も初戦向きで、いきなりから力が入ります。8Rのコスモヨハネは休み明けがどう出るか。気性的に久々は苦にしませんが、少し動きが重い気もします。9Rのマイネルボルソーは、毎回堅実に走ってくれる馬。立ち回りひとつで詰めの甘さを補えそうなイメージなので、ほんのちょっとの部分に気をつけて乗りたいです。

あっという間に夏競馬も最終週。福島では思ったより勝ち星を伸ばせなかったものの、自分としては得意ではない新潟で何とか踏ん張れています。先週土曜のように固められる日もあり、勝てなかったレースも悪くない着順、イメージで乗れているので、その集大成となる結果を最終週に残せるように頑張ります。秋競馬の開幕、大好きな中山開催も楽しみです!
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。