一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
京成杯AHはコスモソーンパークに騎乗
2015/9/10(木)
新潟記念のマイネルミラノ(9人気②着)は、相手がミルコではなかったらという頭差。並ぶまでは来られても、あそこから出られるとは思いませんでした。乗り方としては作戦どおり、本当に結果以外は描いていたとおりでした。しばらく言葉が出ないほど悔しくて悔しくて……。この悔しさを忘れずに、馬にどこかで重賞を勝たせてあげたいです。
秋開幕週の土曜は中山で7鞍に騎乗します。2Rのヴァイオリニストはデビュー前の調教から乗っていました。思っていた以上に初戦から走れていましたし、今週の追い切りで上積みを感じることもできました。実戦向きのタイプだと思うので、今回も頑張ってくれるはず。5R(新馬)のラペルトワはコスモロビンの全妹。ロビンと一緒で使いながら調子を上げていきそうな雰囲気を感じます。現時点でどこまでの走りを見せてくれるでしょうか。紫苑Sのウインマハロは北海道を一度使って順調に上向いているようです。今週の追い切りに乗せていただきましたが、体も良くなっていましたし、何より精神面がドッシリとした印象。格上挑戦とはいえ力差はないと思いますので、先を見据える上でも賞金加算してあげたいところです。
日曜も中山で9鞍に騎乗します。京成杯AHのコスモソーンパークは先週の追い切りの動きが絶好で、かなりしっかりと負荷をかけることができました。久々でも中身は万全という感触がありますし、強力メンバーでも相手なりに頑張ってくれると思います。4Rのコウギョウゴールドはすぐに勝てると思っていた馬。素質的にはこの時期の未勝利にいるのが不思議なくらいなので、先行抜け出しの競馬で力を出し切ってあげたいです。5R(新馬)のマイネルドラグーンは金曜の朝に乗せていただく予定。スノードラゴンの半弟で血統は筋が通っていますし、直前に感触を確かめて最善を尽くします。
6R(新馬)のコスモプロテアは今週の動きに好感触を得ました。仕上がりは良さそうで、初戦から走ってくれると見ています。9Rのマイネルアウラートは一度使うとグンと調子を上げる馬。中間には跨っていないのですが、現級勝ちしているコースで力が入ります。12Rのパラダイスガーデンはブリンカー効果が出ていましたし、圧勝した前走でも尻尾を上げて走っていたように余力がありました。能力どおりなら昇級でも十分にやれると思います。
今週火曜は川崎の交流競走、サファイアフラワー賞をマイネルヴォーダンで勝つことができました。最後のチャンスで勝たせてあげることができて感無量。スタートでトモを滑らせ、タイトなコーナーを上手く曲がれないというピンチもありましたが、直線に向いてからしっかり脚を伸ばしてくれました。先に繋がる大きな勝利だったと思うので、この先もコンビを組めることが本当に嬉しいです。このように、夏競馬の流れをしっかりと継続できている感触。中山は大好きで得意と自負しているコースなので、開幕週の好スタートにご期待ください。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。