一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
白山大賞典優勝の勢いに乗って
2015/10/8(木)
この開幕週は3日間開催、初日の土曜は東京で7鞍に騎乗します。サウジアラビアRCのコスモプロテアは、この中間も追い切りに乗せていただいていますが、使った後のテンションも変わらず良い状態で来れています。瞬発力があって、長くいい脚を使えるので東京コースも合いそうなイメージ。2戦目にして相手も強くなりますが、この馬の素質があればいい競馬をしてくれるでしょう。3Rのプールアンレーヴは使いつつ良くなりそうだなと思っていた馬。馬体面も息も今回は違ってきているはずなので、着順もそうですが、内容の良化に期待しています。5R(新馬)のハクシンヴィーナスは、先週ウッドの追い切りで古馬と併せて互角の動き。なかなかの感触がありました。調教どおりの走りができれば、いきなり見せ場以上もあっていいはず。12Rのオーロラッシュは、休み明け2走目だった前走がまだ少しモタついていました。思っていたよりも追走に苦労したので、広い東京コースで流れに乗せることができれば前進がありそうです。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。3Rのダッシュビームは追い切りに乗せていただいて、なかなかの動き。休み明けではありますが、走れる態勢にあると思います。5R(新馬)のマイネルクラフトも1週前に乗りましたが、いい素質を持っています。まだ線が細い部分があるので初戦向きとは言い切れないものの、先々は楽しみな馬になっていきそうなイメージ。6Rのラズライトブルーは東京コースが合っていて、牝馬限定戦なら十分にやれるはず。久々の分がどうかですが、差のない競馬はできると思っています。9Rのマイネルアウラートは期待していた前走が案外。このクラスでは力が上の馬なので、使った上積みと東京コースで一変してくれませんか。勝負所でスッと動く本来の走りを見せてくれれば勝ち負けです。
月曜も東京で8鞍に騎乗します。2Rのピキーヨは少し間隔が空いた前走が追い通し。ビッシリと競馬をしたので、それによって反応が変わってくれれば着順は上がるはずです。3Rのコスモジャーベはデビュー前の追い切りで口向きの難しさを感じていて、レースでもそういった部分を見せていたよう。とはいえ、前走は②着と頑張っていますし、2度目の左回りに対応してくれれば、力的に十分チャンスでしょう。12Rのモルーアは、距離が1600mに戻るのは大歓迎。骨折明けの3走目で状態も上がっているようですし、元からかなり素質を感じていた馬。大きく負けてしまった後ですが、変わる要素は多分に秘めています。
最後に嬉しい話題をお伝えすることができます。6日(火)、金沢競馬場で行われた白山大賞典を、マイネルバイカで勝つことができました。レース前からエイシンモアオバーの後ろにポジションを取ることだけを考えていて、かなり出してあの位置を取れたことが勝因といっても過言ではないでしょう。以前に乗った時のイメージと変わらず元気一杯で、馬も一生懸命に走ってくれました。新しい西村厩舎(重賞初勝利)の力になれて、先生のお子さんも来場されている最高のタイミングだったので本当に嬉しい勝利でした。
その前日、世界遺産である白川郷の合掌造りの集落を観光してきました。凄く綺麗な景色に癒されて、無駄な力が抜けていたのも良かったかもしれません。そんな勢いに乗って、週末も良い結果を出したいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。