一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
巻き返したい5回東京開幕週
2015/11/5(木)
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。3Rのハクシンヴィーナスは、初戦でいい感触を掴めました。気性的にとぼけるところがあるので、今度は気をつけて乗りますし、2戦目で差のないレースができるでしょう。4Rのマイネルシュロスの初戦はあそこまで負けるとは……。東京コースに替わりますし、もう少し走れる馬だと思っています。9Rのマイネルアウラートは先週の追い切りに乗せていただきましたが、いい時に比べると迫力がもうひとつという印象。本来はもっと力強く反応できる馬ですし、ここ2戦の内容も案外。ただ、このクラスでは格上の存在なので、使いつつの上積みには期待しています。
日曜も東京で10鞍に騎乗します。アルゼンチン共和国杯のマイネルメダリストは、中間乗っていないので状態的な判断はできませんが、気持ちがフレッシュな休み明けのほうが走れるタイプ。休養前は大敗しているとはいえ馬がやめてしまっているので、あれが能力というわけではありません。3Rのマイネルツィールは前走もいい競馬をしていて、相手が強かったのかなという内容。常にゲートは課題になりますが、そこさえクリアすれば勝ち負けだと思っています。4R(新馬)のコスモセンスは仕上がりが良さそうです。体が緩い部分もあるので使えばさらに良くなるでしょうが、気持ちが前向きなのでいきなり頑張ってくれるでしょう。
7Rのコスモアルマクは休み明けを使った分の上積みが見込めます。力はある馬ですし、ホームと言えるこのコースで何とかしたいところ。8Rのホワイトウインドにも同じことが言えます。前走も期待していましたが、やはり久々の影響はありました。凄く性格がいい馬なので、1ハロンの距離延長は全く気になりません。9RのコスモプロテアはサウジアラビアRCで惨敗しましたが、あれは出遅れがすべて。中間はゲート練習をクリアし、調教でも凄くいい動きをしています。むしろ距離延長は向くはずで、捌きやすい少頭数もいいですね。
先週の更新は葉加瀬太郎さんのコンサート直前でしたが、凄くMC力もあってトークに引き込まれました。もちろん演奏は最高で、会場は大盛り上がり。改めて、色々な才能がある方だなと感服しています。最後に、上記画像は来週の福島記念を目標にしているマイネルミラノの1週前追い切り。間隔は空いていますがしっかり動けていて、気持ちがフレッシュでヤル気が漲っているという感じ。この馬に合わせて日曜は今年最後の福島遠征になるので、いい結果を残せたら最高ですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。