一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
福島記念はマイネルミラノに騎乗
2015/11/12(木)
この土曜は東京で8鞍に騎乗します。3Rのヴァイオリニストは、今回ブリンカーを外して臨む予定。だいぶ気を抜かずに走る面が出てきたので、その辺りが良いほうに向いてくれませんか。6R(新馬)のマイネルカラットは追い切りに乗りましたが、大型馬でまだ緩いところが残っています。素質的に良いものは持っていますが、どちらかと言えば使いながらのタイプではないでしょうか。8Rのマイネルポルトゥスは折り合い面がすごく難しい馬。上手くタマれば2走前のようにひと脚を使ってくれるので、特徴を生かせるように気をつけて乗りたいですね。
9Rのマイネルバサラは新馬勝ちした時と同コース。追い切りに乗った感じは大きく変わったところもありませんが、当時も同じ雰囲気で競馬に行って変わってくれました。未知の魅力を感じる馬なので、今回もスイッチが入ってくれることに期待します。10Rのコスモドームは、この1000万でも実績がある馬。東京1400mというのがポイントですが、上手く脚を残しつつ乗ることができれば、弾けてくれそうなイメージです。
日曜は今年最後の福島で7鞍に騎乗します。先週も話題にした福島記念のマイネルミラノ。1週前にしっかり追ったので今週は乗っていませんが、状態面に関しては申し分ありません。このコースは1000万で勝った実績があり、予測される道悪もむしろプラス材料。これまでに戦ってきたメンバーを考えても、自ずと力が入ります。大好きな開催を気持ちよく締めくくりたいです。
前回結果が出ませんでしたが、3Rのアンジェラスベルはいいイメージを持っています。従順で乗りやすくて先行力もあるので福島コースにマッチしそう。6Rのコスモナチュラルも福島コースは合いますよ。ただ、時計が速くなるのは歓迎ではないので、天気予報がどう出るでしょうか。8Rのウインマハロは前走がアレっというような内容。とはいえ、今回は勝ったことがあるコースなので、右回りで改めて頑張ってほしい。普通に走れば力は十分に足りる馬です。10Rのコスモアルコンは、初コースでも福島は合うと思います。パワーがあるため道悪も問題ないはずで、楽しみにしている一戦です。
今回も小ネタ代わりに期待と意気込みを語っておきます。来週の東京スポーツ杯2歳Sに出走するマイネルラフレシアは今から本当に楽しみ。前走も文句なしの内容でしたが、この中間の追い切りの動きも抜群。悔しい思いをしたことがあり、楽なメンバーにならないことも知っているレースですが、今年こそはと思わせてくれます。凄くいいフットワークをしますし、ここまで素直な馬はなかなかいません。直前の感触については、また来週書かせてもらいますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。