一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
中山金杯はマイネルディーンに騎乗
2016/1/3(日)
区切りのよい40勝に到達しなかったのは心残りも、年末の最終週はシェアードで勝つことができました。持ち時計が全然違うので負けられない一戦だと思っていましたが完勝でしたね。上のクラスでも十分やれる力を感じました。ウインアルザス(7人気②着)も昇級緒戦ながらマイペースに持ち込めていい内容。以前に乗ったのが3年前の未勝利戦だったので、改めて力をつけたなと嬉しくなりましたね。
いざ新年の開幕週、1月5日(火)は中山で9鞍に騎乗します。中山金杯のマイネルディーンは、重賞に入ると自分で競馬をつくれないのが弱み。ただ、通用する力はある馬でハンデ54キロも手頃。末脚勝負が型なので、前が流れる展開になってほしいです。2Rのコスモカナディアンは、2走前の東京では前に壁がつくれませんでしたし、コース形態的に中山が合うと思っていた馬。ベストの舞台で今回もいい競馬ができるでしょう。5Rのマイネルビッグバンは間隔が空いた分がどうか。ただ、先々良くなりそうな馬と見ていたので、成長を楽しみにしています。
6R(新馬)のコスモデルフィヌスは年末の追い切りに乗せていただいて、小柄な馬で仕上がりの良さを感じました。もう少し力強さがほしいという注文もありますが、初戦から走れる態勢にはあります。7Rのマイネルバサラは距離延長した東京マイルの前走に対応してくれたので、あの内容なら中山1800mも問題ないはす。かなりの素質を持っている馬なので改めて期待しています。9Rのウインバローラスは地方で色々なコースを経験して力をつけてきました。中央1000万は未知の領域ですが、キャリアはあるので頑張れていいはず。12Rのホワイトウインドは中山マイルがベストも、前走は不向きなヨーイドンの展開になってしまいました。今回は全体を通してつくっていくというか、より攻める競馬を心掛けるつもりです。
この年末年始は30日に家族で温泉旅行には行きましたが、大掃除と年賀状書きでせわしなく過ぎてしまったという印象。毎年恒例、福山雅治さんのライブチケットを取っていたものの、知り合いに譲ったほどバタバタでした。とはいえ、新年の競馬に向けての準備はしっかりと進めています。自分的には昨年の成績がどうしても納得いかないので、今年は最低でも一昨年の50勝を上回ること、毎年の目標にしている60勝に届くように精進したいと思っています。1年間を怪我なく乗り切り、制裁をもらわないようにすることも重要ですよね。勝ちたいという気持ちを持つことは当然ですが、毎回G1の舞台に立っていられるように、日頃からのプロセスを大事にしていきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。