一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
初日は2勝!力が入る3日間開催
2016/1/7(木)
今週末は3日間開催、土曜は中山で9鞍に騎乗します。2Rのコウソクラインの前走は、初めてのダートで砂を被って置かれてしまいましたが、③着まで詰められたのは力の証明。気持ちが難しい馬ですが、慣れも見込めますし、レースに集中して走らせられれば勝ち負けのレベルにあると思っています。3R(新馬)のワンドロップは、一度ゲート試験で跨ったことがあります。気持ちが前向きでスタートも凄く速かったので、新馬向きのタイプではないでしょうか。5Rのコスモレティクルムはとにかく折り合いがポイント。自分が跨った東京コースではチグハグなシーンもあったので、少しでも流れてくれることを願いつつ道中は慎重に進めたいです。
9Rのマイネルネーベルは、関西圏の500万で勝たせてもらった馬。気が散漫なのかハミを抜いてしまうところがあるので、前走のように外から突かれて併せ馬の形になるのが理想。かえって昇級のペースで集中して走ってくれませんか。10Rのマイネルアイザックは中山との相性が良く2200mにも対応可能。関西馬ながらもずっと乗せていただいているので、力が入る一戦です。12Rのマイネプレセアは展開と折り合いひとつ。常に人気よりも走ってくれる力がある馬なので、かみ合えば上位進出も可能でしょう。
日曜も中山で8鞍に騎乗します。1Rのグラスウォリアーは今週の追い切りに乗せていただいて、なかなかの動きでした。レースでは初めてですが、前走内容と調教の感触から中山1200mは合いそうなイメージです。2Rのアイルーロスは距離がポイントですが、前走は阪神の1800mで頑張れましたからね。ロスのない競馬を心掛けて、上手に立ち回りたい。9Rのコスモプロテアの前走は、スタートは割り切っていたとして、もう少し脚を使ってほしかったというのが本音。新馬や2走前のようにもっとキレる脚がある馬なので、距離やコースといった適性部分のポイントになりそうな一戦です。11Rのコスモソーンパークは、この時期に体調が良い馬なのでしょうね。前走も返し馬から力が漲っている感じを受けました。1600mに戻るのは歓迎なので、何とか58キロでも踏ん張ってほしいところ。
祝日競馬の月曜も中山で7鞍に騎乗します。4R(新馬)のグローリアスロウラは、坂路の時計が素晴らしかった。追い切りにていい感触を得られましたので、初戦から頑張ってくれると思います。6Rのクードヴァンは、血統馬らしくレースにいって良かったですね。とはいえ、ハミを取ったり取らなかったりとチグハグな部分もありました。少しでも初戦を覚えてくれていれば、改めて差のない競馬ができるはず。12Rのマイネルカレッツァは堅実な馬ですが、いつも一生懸命に走るため、前走は少し疲れがあったのかもしれません。適度な間隔で状態も上がっていると聞いていますので、折り合いに気をつけて乗ればまだ上があるはず。能力はかなり高いので、そろそろ500万はクリアしたいです。
今週は初日の競馬が終わった後、すかさず水曜・木曜と追い切りで例年以上に慌しさを感じました。全休の来週火曜まではとにかく競馬三昧ですが、おかげ様で最高のモチベーション。全てのレースでひとつでも上の着順を目指し、ファンの皆さんも自分も納得できるレースを心掛けて乗ってきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。