一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
週明けの川崎記念も力が入ります
2016/1/21(木)
一方、京成杯のマイネルラフレシア(3人気⑩着)は、スタートでぶつけられて位置取りが悪くなってしまったものの、その後は腹を決めた位置取りにて上手く折り合っていました。4コーナーまでは馬の気持ちも前向きで、あれだけ折り合っていれば終い33秒台の脚は使えると思いきや、全く伸びているとは言えない反応で……。強いて言うなら初コースの右回りなのかもしれませんが、現時点では明確な敗因が掴めません。これで終わるような馬ではありませんので、厩舎サイドと協力しながら巻き返していきたいです。
この土曜は中山で10鞍に騎乗します。2Rのコウソクラインは、ここ2走で力があるところを見せられています。間隔は詰まりますが、気性的に同じコースと距離で走らせたほうがいいだろうという判断での出走。そういった意味でも、集中して走らせて結果を出したい一戦です。6R(新馬)のラストブライトネスは今週の追い切りに乗せていただきましたが、気持ちが前向きで初戦からのタイプだと思います。動きも良かったので、いきなりから頑張ってくれそう。7Rのコスモカンプは休み明けですが、以前と違って抑えていかないと時計が速くなってしまいそうなくらいに気持ちが乗っています。なので、今回はブリンカーを外してもらう予定。ドシッとしてかなりパワーアップした印象を受けるので、昇級緒戦でもヒケを取らないはず。未勝利を勝ち上がるまでの経緯から、使った後はさらに良くなりそうです。
8Rのウインネオルーラーはとにかく気持ちを途切らせないように乗ることがポイント。攻めだけ走れば力が違うとは思いますが、難しいタイプであることも確かです。9Rのマイネルハニーは折り合いが難しいということで、ここ2週の追い切りに乗せていただき、いい方向に調整できました。これまでのレースや動きからも能力を感じますし、素質馬が集う中でも頑張ってくれると思います。11Rのセイカフォルテはハンデ戦の好走後で、定量戦というのは課題。自分から競馬を作ると最後に甘くなってしまうため、周囲に左右されずの競馬を心掛けるつもりです。それでも調子は凄く良さそうなので、かみ合えば再度チャンスがあるはず。
日曜も中山で11鞍に騎乗します。アメリカJCCのマイネルメダリストは体的な衰えはなく気持ちが乗れば前走くらい走れる馬ですが、当日の気配によるところが大きいんです。距離は長ければ長いほどいいタイプで2200mは気になるものの、ステイヤーズSは復調の兆しがあり、ここでも頑張ってくれませんか。3R(新馬)のライラックチャームは除外で延びましたが、その分だけ追えて馬はしっかりしてきました。とはいえ、どちらかと言えば使って良くなっていきそうな印象です。7Rのシェアードは中山コースが合っている馬。圧勝した前走からまだ時計を詰められそうな手応えがあり、昇級しても緒戦から力が入ります。
8Rのウインヴォイジャーは前走のように包まれる競馬が良くない馬。少し外を回ってでも被されない位置を心掛けて乗りたいです。9Rのブルーボサノヴァはハンデ戦で52キロ。乗る毎に力をつけていることを感じるので、この軽量を生かしたい。少し展開が向けばチャンスはあると思います。10Rのマイネグレヴィルは天気予報どおりなら今週日曜の馬場は向きそう。大きく負けた後ですが、状態は悪くないと聞いているので密かに期待しています。
週が明けて火曜、水曜は川崎競馬の地方交流に参戦。川崎記念はマイネルバイカに乗せていただきます。7歳になった現在もまだまだ力をつけていますので、相手が強くなるここでも頑張れていいはず。状態も良いと聞いており、おのずと力が入りますね。前日のウイングリニッジもチャンスがあると思います。初戦はいかにも距離が忙しかったので、交流のペースと距離延長がかみ合いそう。引き続き気が抜けない日々ですが、本当に有り難い依頼なので平日も精一杯頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。