一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
中山牝馬Sはウインリバティに騎乗
2016/3/10(木)
この土曜は中山で9鞍に騎乗します。1Rのショショットは、初戦から内でロスのない競馬ができました。一度使った効果で馬がしっかりしていれば前進もあるはず。3Rのコウソクラインは我がままな部分が解消して、大分言うことを聞いてくれるようになってきました。攻め馬も集中して走れていますし、間隔が空いても仕上がり良好。引き続きいい競馬をしてくれると思います。9Rのマイネルシュバリエは、コース実績こそありませんが中山替わりはプラスに出そう。2走前のように被されないでハミを抜けて走れれば、もうひとふん張りできるイメージ。前半で力ませないようにコントロールしたいです。
10Rのマイネオーラムも中山のほうがいい馬。ただ、前走の手応えがあまりにもなくて明確な敗因がわからないのです。2500mということもありますし、折り合いに気をつけて臨みます。能力的には巻き返せていいはず。アネモネSはメイショウタチマチに乗せていただきます。過去3走とも強い競馬をしており、前走はソラを使っていたと聞きました。器用そうな馬で中山マイルと合いそうなイメージがあるので、何としても桜花賞への権利を手にするつもり。本当に有難い依頼ですし、レースが待ち遠しくてなりません。
日曜も中山で10鞍に騎乗します。中山牝馬Sのウインリバティは、500万を走っていた頃に乗せていただいたことがあります。とても素直で、長くいい脚を使う馬という印象。当時から急激な成長も遂げているので、3連勝時のビデオを見直して、より合いそうな競馬に徹したいと思います。1Rのヘヴンリーソードは調教に乗せていただいて能力を感じました。ただ、砂を被ると嫌がる素振りをするので、少し外を回してでもスムーズな競馬を心掛けます。3Rのグットドディユの前走は少し疲れていたのかもしれません。立て直して、2走前のデキがあれば一変しても不思議ではない能力を持っています。
7Rのヘイローフォンテンは、モマれると良くないので少頭数は大歓迎。コース的にもベストで、かみ合えば勝つ力はあります。9Rのコスモドームの前走は、1400mのスローペースで内に包まれて動けないシーンがありました。中山の1200mならああはならないはずで、この馬もクラスを抜けるだけの力を持っています。東風Sのマイネルホウオウはここ2週の追い切りに乗せていただいていますが、いかにも久々という印象は拭えません。コース相性は悪くありませんし、今回に限らず使った後の上昇にも期待しています。
今週は水曜、木曜と船橋の地方交流に乗ってきました。ダイオライト記念のマイネルバイカ(4人気⑤着)は道悪で速い馬場の対応に苦戦しました。前走は中1週の疲れもあったようでしたが、今回は返し馬の雰囲気から抜群。これならと力が入った矢先、追走に手こずってしまって……。乾いた馬場ならまた違った結果になっていたと思います。続く木曜は10Rのコスモアリエス(3人気)で勝つことができました。前走の川崎から驚くほどの良化ぶりで、前半から楽に先行できたと思えば直線もグイグイと加速。久々の交流勝ちで嬉しかったですし、あの内容と上昇度なら次走も楽しみ。馬のおかげもあって、いいムードでまた週末に向かえます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。