一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
先週同様に力が入る2日間
2016/3/31(木)
一方、日経賞のコスモロビン(8人気⑧着)は、道中のペースが遅すぎて動くに動けない位置に入ってしまいました。それでも、ここ数戦に比べれば馬にヤル気が出てきたので、これからいいほうに向かっていくはずです。マーチSのマイネルバウンス(9人気⑫着)は、普段なら引っ掛かるくらいなのに追走に余裕がありませんでした。ここまでずっと頑張ってきたので、馬体面はともかく、気持ち的にリフレッシュしたほうがいいのかもしれませんね。状態が万全であれば、重賞でももっとやれる馬だと思っています。
この土曜は中山で8鞍に騎乗します。3Rのコウソクラインはメンコを外して反応が良くなっています。おっちょこちょいなところがある馬なので、今回も返し馬には気をつけなければなりません。前走も放馬の影響はなかったと思うのですが、改めて調教の良さを実戦で引き出してあげたい。6Rのグットドディユは立て直した前走で状態が戻っていました。道中で気を抜く面があるので、集中して走らすことができれば今回も差がない競馬ができるはず。
10Rのマイネルサージュは、折り合いのついた前走で思ったほど弾けられず。距離も2度目なので、同じような運びをすれば今度は反応が違ってきませんか。もっと脚を使えるイメージなので、タメて終いに懸けるような競馬をしたいですね。11Rのコスモドームは前走の状態が凄く良かった。相手なりに走れるタイプなので昇級緒戦でも期待しています。12Rのオベーションは、包まれたり被されたりするとブレーキをかけるところがあるんです。直線バラけてからはしっかり脚を使っていたので、前に前に走らせるように気持ちを乗せてあげればまだ着順を上げられるはず。
日曜も中山で8鞍に騎乗します。1Rのマチャプチャレは広い東京コースでもオッと感じる部分がありました。これから芯が入ってほしいところもありますが、コース替わりで前進に期待しています。5Rのコスモジャーベの前走は、相手が悪かったというほかありません。毎回いい状態で持ってきていただけますし、常に頑張って走る馬のためにも決めてあげたい。勝って休ませてあげられたらもっと成長が見込めるはずなので。10Rのマイネルバサラは前半で力んでしまうところが弱点。道中息を入れながら走らせてあげれば差はないはず。2走前で中山コースは合う感触を掴めているので、立ち回りひとつで上位争いができると思います。12Rのマイネルエスパスは、前走で今までやってきたことが実を結んできました。この舞台は間違いなくベストですし、同じようなレースができれば今回も勝ち負けでしょう。
先週は温泉のリフレッシュ効果を発揮できましたが、今週の休日はお台場にトーテムを観に行ってきました。まずは、春休み中とあって凄い人混み……。サーカスという感覚でいたのとはまるで違って、その構成には感動しました。毎回、シルク・ドゥ・ソレイユのチケットを取るのは激戦というのにも納得。またまた素晴らしい息抜きができたので、競馬の結果に繋げられるものと確信しています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。