一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
待望!夏の福島競馬開幕
2016/6/30(木)
待ちに待った開幕週は土曜から福島で8鞍に騎乗します。1Rのマイネルクラースの初戦はスタートがイマイチで道中の手応えももうひとつ。中間はゲート練習を積んだため少しまともに出られるはずで、馬がレースを覚えていてくれれば追走も楽になりそう。ガラリ一変まであるかは分かりませんが、内容のあるレースをしたいです。5Rのタイムトリップ(2歳新馬)は先週追い切りに乗せていただきましたが、とても気がいい馬で初戦から走れる態勢にあると思います。開幕週の芝1200mという番組も合うのではないでしょうか。7Rのコスモレティクルムは、昨年の今頃はまさかここまで勝てずにいるとは思わなかった……。脚質的に開幕週はどうかも、ひと脚使うレースがいいので東京よりは福島向き。願わくば追い込める展開になってほしいですね。
8Rのグレンデールは福島で500万を勝たせてもらった馬。このコースがベストであることは間違いありませんので、長期休養でリフレッシュされていれば緒戦から頑張れると思っています。9Rのコスモアルヘナは脚の使いどころが難しい。自分から動いていける展開が合うので、積極的な競馬を心掛けるつもりです。11Rのアルマエルナトは、折り合いが全てといっても過言ではありません。昇級して道中のペースが速くなるのは悪くないはずで、前走のように終いの脚をしっかりと使わせてあげたい。12Rのマイネルネッツは、実績以上に福島コースが合いそう。着順にばらつきはあるものの、上手に立ち回れそうなイメージがあります。
日曜も福島で6鞍に騎乗します。先週話題にした5Rのウインクバック(2歳新馬)は、今週の追い切りには乗りませんでしたが「抜群に良かった」と聞きました。背中を使ってグングン伸びてくる印象があって、競馬に行けばキレる脚も持っているのではないでしょうか。気が良くて調教も動いているので、初戦からの勝ち負けを意識しています。7Rのコスモボーラーは福島コースが合いそうだと思っています。散漫なところがあるので、最後まで集中して走らせることができれば上位争いに加われるはず。9Rのマイネルスパーブは、福島コースではお馴染みの馬。なかなか勝てない面がありますが、対応が上手で今回もいいところには来れると思います。後は勝つための運というか、ちょっとしたキッカケがほしいところです。
昨年の全く同時期に話題にさせてもらったのですが、今週月曜は群馬県沼田市の原田農園さんにさくらんぼ狩りに行って来ました。どうしてなかなか予約で一杯の人気スポット。美味しくて美味しくて、新鮮なさくらんぼを半端じゃないくらい食べまくって、奥さんと二人でお腹を壊して帰ってきました(涙)。何でもすぎるのは良くないですね。イワナやヤマメ釣りなどもしてリフレッシュできましたし、翌日回復していますので競馬の騎乗には一切問題ありません(笑)。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。