一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ステイヤーズSはマイネルメダリストに騎乗
2016/12/1(木)
東京最終週はマイネルスフェーン(1人気)で勝つことができました。外枠なので焦らずにゆっくり運ぼうと考えており、そう思い描いていたとおりの競馬ができました。馬も一戦毎に力をつけていて、夏に初めて乗った時とは見違えるよう。まだまだ良くなっていきそうなところがあるので、昇級するこれからが楽しみです。キャピタルSのマイネルラフレシア(6人気④着)は、上手く対応してくれたものの、現状でマイル戦は忙しい印象を受けました。前走もそうでしたが、状態はとても良かった。ゆったり走る馬なので、1800~2000mの距離で巻き返したいです。
開幕週の土曜は中山で8鞍に騎乗します。マイネルメダリストのステイヤーズSは、この馬にとって最も合っている条件のレースだと思います。8歳秋でも衰えたという感じはありませんし、3000m級の番組では大きく崩れませんからね。今回も持ち味を存分に発揮させてあげたい。2Rのコスモメソッドは夏に好印象を持った馬なのですが……。もっと走れていいと思っているので、ダート替わりが良いほうにかみ合ってくれませんか。3Rのマイネルラプティスは長くいい脚を使ってくれるタイプ。前走はスタートで出て行かない面がありましたが、それを含めて特徴を知ることができました。東京戦前の3走は右回りなので、中山コースにも対応してくれると思います。
7Rのコスモボアソルテの前走は、距離短縮と右回りでこの馬の良いところが出ました。クラス実績もあるコースなので、そろそろ勝利という結果がほしいです。9Rのマイネルユニブランは、デビュー前の調教に何度か乗せていただいたことがある馬。当時から完成度が高く、ここまでの戦績には納得。この馬も長くいい脚を使える印象があり、十分にチャンスはあると思います。
日曜も中山で8鞍に騎乗します4Rのウインクバックは、ここ2戦で好内容の競馬ができています。状態が少しずつ上向いており、自分的には中山のほうが合いそうというイメージ。9Rのマイネルバサラは中山コースでキョウエイギアに勝った馬。適性に関しては申し分ないので、休み明けの状態面につきると思います。10Rのペルソナリテは本当に馬の気持ちひとつですが、捌きやすい少頭数というのは何より。自己条件でスムーズな競馬ができれば、いつ勝ち負けになっても不思議ではありません。
11Rのイントロダクションは気難しそうなイメージがあるので、横山典騎手に特徴をお聞きして、金曜朝の調教にも乗せていただく予定。53キロのハンデを活かして、上手く乗れるように予習します。12Rのマイネルカレッツァは東京コースのイメージが強い馬。とはいえ、自分の競馬をするだけというタイプなので、馬の力を信じて乗ってきます。
報道もされているようですがトラストの朝日杯FS参戦が決まりました。今週の初めには元騎手の長谷川助手と話をしましたが、考えながら調教を進めてくれている様子。厩舎の方針と彼の仕上げを信頼してレースを待つだけとはいえ、前走を経た感触からもマイル戦というのは合うと思います。当週には改めてイメージと意気込みを書かせてもらいますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。