一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
中山記念はマイネルミラノに騎乗
2017/2/23(木)
前回の更新で今年は②③着が多いということを書きましたが、先週も合わせて5回と勝ち切れず。最高着順だったコスモアルヘナ(②着)は何度も乗せていただいており、そんな中でも持ち味は十分に活かせたと思います。勝利がなく、こういった感覚のレースが多いのも歯痒いところですが……。小倉大賞典のマイネルハニー(3人気⑯着)は流れが速かったにしろ負けすぎ。跨ってから気合いも乗りましたし、返し馬まではいつもと変わらずいい雰囲気でした。ここまで走り続けてきたので、目に見えない疲れがあったのかもしれません。馬のほうは何ともなかったのが幸いで、放牧を経ての仕切り直しでまた頑張ってくれると思います。
流れを変えたい開幕週の土曜は中山で6鞍に騎乗します。5Rのマイネルプラヌールは、先行した前走の脚がなくなりすぎだったという印象。ポジションに係わらず、流れに乗せて最後にもうひと脚という競馬のほうが合うかもしれません。10Rのアルマエルナトはゲートが安定しないので、戦法を決め付けずに展開に応じた立ち回りをするつもり。ハンデ戦でもありますので、流れに乗せて捌ければチャンスがあるはず。12Rのマイネルエスパスの前走は流れが速くて行けませんでしたが、最後にもうひと脚という競馬も板についてきました。中山1200mの場合は枠や展開が鍵となるものの、調子が良いうちに決めてあげたいところ。
日曜も中山で7鞍に騎乗します。中山記念のマイネルミラノは中間に跨っていませんが、厩舎サイドでしっかり乗ってくださっています。休み明けにしてかなりの相手関係ですが、同型の出方を見ながらこの馬らしい競馬をしてあげたい。何が何でもというつもりはありませんが、前々で流れに乗せて運びます。5Rのウインクバックは東京でも走れていますが、どちらかと言えば中山向き。僕が乗って②③着が3回ずつと調子落ちなくずっと頑張ってくれているので、何としても勝たせてあげたい気持ちです。
6Rのコスモエアターンは、以前に乗せていただいた時に非力な印象がありました。コース取りに気を配って、弱点を補うような乗り方をしてあげたい。10Rのゲマインシャフトは、中山のこの番組はお馴染みで合っています。昨年も同様のローテで頑張っており、前走の感触からももうひと押しがありませんか。12Rのマイネルバサラは東京コースの前走でもこの馬なりに走れてはいますが、間違いなく中山向き。ずっと状態は悪くないので、今度の舞台なら巻き返せるイメージです。
3歳クラシック戦線もいよいよ本格化しますが、トレセンでは早くも緑のゼッケンの2歳馬を見かけます。年々、始動が早くなっている印象を受けます。昨年も牧場で乗せていただいた感触が実戦に繋がったので、3月から足を運んで予習を始めないといけません。トラストやコスモスの先取りは反響もあってファンが増えたようなので、気になる馬がいた場合は話題にしていきますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。