一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
チューリップ賞はエントリーチケットに騎乗
2017/3/2(木)
先週はマイネルバサラ(4人気)で勝つことができました。自分からグングンとハミを取って、やっといい頃に戻ってくれたという行きっぷり。最近は進まなくて何とか押してという運びだったので、噛んで掛かり気味くらいが本来の姿です。中山のようにコーナー4つのコースがベストなので、連続開催で続けて使えれば昇級しても楽しみです。一方、中山記念のマイネルミラノ(9人気⑨着)は前半行ききれなかったものの、かなりペースが遅かったので途中からハナへ。自分のリズムで悪くない競馬に持ち込めましたが、あそこまで下がってしまったのは久々の分だと思います。本調子であればもっと粘れる馬なので、使ってからの良化に期待します。
この土曜は阪神で7鞍に騎乗します。チューリップ賞のエントリーチケットは関西馬で初めて乗ることになりますが、以前のレースを見ても凄く立ち回りが上手な馬。もちろん相手は強いのですが、少頭数も相まって今からイメージができています。いい競馬ができるようなら桜花賞の楽しみが膨らみますので頑張りたいですね。7Rのメイショウフウシャは阪神の同じコースで未勝利を勝たせていただいた馬。小倉開幕週から詰めて使えるローテもいいと思いますし、それほど差のない競馬ができるのではないでしょうか。12Rのマイネルビクトリーは流れてくれる展開が理想ですが、阪神2000mは合っていると思います。使いつつ状態を上げており、1000万でももっと着順を上げられる馬です。
日曜は中山で6鞍に騎乗します。1Rのマイネルピョートルは前回もなかなか内容あるレースができており、この番組は合っています。ダートに替わっての3戦目でもうひとつ前進がありませんか。7Rのコスモコレクションは休み明けなのでそのあたりがどうか。モマれて良いタイプではないので、自分のリズムでスムーズな競馬を心掛けたい。8Rのマイネルクラフトは久々の前走が収穫ある競馬。どうしても前半ついて行けないので広いコースのほうが理想とはいえ、かなり能力が高い馬ですからね。仕掛け所に気をつけて差し切りを狙いたい。10Rのカフェリュウジンは状態面に成績が伴っていない印象なので、このダート替わりが刺激になってくれませんか。何度も乗せていただいている馬でもあり、違った一面を引き出してあげたいと思っています。
今週は月曜日に親知らずを抜いたのですが、そこが痛くてたまりません。特に下の歯は抜いた後も腫れるようで、週末までに引いてくれることを祈っています。かなり前から痛くなったり治まったりが続いていて、そんな繰り返しがなくなるのを思うとホッとはしますが……。それにしても痛い!週中の憂鬱を競馬で晴らしたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。