一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
新潟2歳Sはフィルハーモニーに騎乗
2017/8/24(木)
苦戦が続いている今開催ですが、先週はソレイユフルール(2人気)で勝つことができました。戦前にも期待を書きましたが、かなりダッシュがあってやはり1000mは合っています。枠も良かったので、ご覧のとおりスピードが違うという内容でした。マイネルバールマン(5人気④着)は1200mが忙しい印象でしたが、それでも最後は脚を使ってくれて内容は凄く良かった。馬体は22キロと大分増えていたものの、ほとんど成長分だったのではないでしょうか。改めてダート適性も感じましたし、1400mくらいの距離なら引き続き活躍できると思います。
この土曜は新潟で7鞍に騎乗します。1Rのクインチは続けての⑤着でしたが、2戦目は大分シッカリと走れていました。更なる上積みがあると思うので、着順的な前進にも期待しています。3Rのコスモノーズプレスは今回が初ダート。芝でも走れる馬ですが、このパターンでより変わってくれそうなイメージがあります。10Rのブライトチェリーは千直の競馬を馬がよく分かっているという印象。重賞を54秒7の時計で走っているのですから、自己条件に戻って改めて期待しています。12Rのマイネルアムニスの前走は半年以上の休み明けを思えば文句なしの内容。使った上積みが見込め、スピードがあるので新潟コースの1200mも合うと思います。
日曜も新潟で10鞍に騎乗します。新潟2歳Sのフィルハーモニーの前走は内回り1400mが忙しかったのか、思っていたような脚が使えず、なだれ込むような競馬になってしまいました。3戦目で状態は上向いており、外回り1600mをゆったり運んで、最後にもうひと脚を使わせてあげたい。デビュー戦の内容からもっともっと走れていい馬です。1Rのシガールはダート替わりで前進に期待。まだ芯が入っていない部分はありますが、着順を上げつつキッカケを掴んであげたい。2Rのウインファルコンの前走は千直でいい内容でした。同じコースで慣れも見込めると思うので、勝ち負けの期待を持ちつつ好枠がほしいところ。
3Rのコスモメイプルは気持ちが安定しない面があるものの、ダート自体は合っていました。続けて乗せていただけるメリットを活かし、何とか勝たせてあげたい一戦です。9Rのペルソナリテの前走は向正面と直線とで2度の不利が痛かった。スムーズさを欠いてしまったので参考外と捉えたい一戦。自分としても巻き返すべく力が入ります。10Rのマイネルホウオウは10ヶ月以上の休み明けで、馬体重が増えての出走になりそう。それでも追い切りはサッと動いてしまうのですが、割引が必要かもしれません。7歳とはいえまだまだやれそうな雰囲気はあるので、使った先まで見据えたいと思っています。12Rのタイガーヴォーグは新潟1200mが合っていますね。前走は内枠でしたが、外目の枠から流れに乗せた競馬もしてみたい。行けなければ前走のような形がベターでしょうし、とにかくモマれない位置で極端な競馬が向くタイプだと思っています。
先週の最終レースの勝利は3週間ぶりで、夏の新潟開催でやっと1勝目。肩の荷が下りた気がしていますし、遅れを取った分は残り2週で取り戻すつもりです。来週は水曜の追い切りと合わせて土曜は札幌で騎乗する予定。新潟とコースはまるで違いますが、僕は好きな形態なので夏最終週の締めくくりという意味でも楽しみにしています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。