一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
気持ちを入れて乗っていきます
2017/12/14(木)
なかなか勝てずに苦戦しています。先週はコスモビッグハート(8人気③着)が最高着順。素直で気持ちが前向きで物見もせず、新馬としては理想的な競馬ができました。先着された2頭が強く離されてはしまいましたが、状態面でも前進が見込めそうな次走が楽しみ。カペラSのモンドクラッセ(16人気⑦着)はスタートで挟まれてしまったのが痛かったものの、馬は諦めずに最後まで頑張ってかなりいい脚を使っています。距離短縮で違った面が見えたので、引き続き乗せていただけるようであればもうひと工夫して乗りたい。五分のスタートを切ってこれくらいの距離であれば、さらに上位に来れそうな手応えがありました。
この土曜は中山で5鞍に騎乗します。1Rのマイネルレヴリーの前2走は気難しさを出して、スムーズさを欠いてしまったという印象。初戦が右回りの1200mでいい脚を使っているので、コース替わりで前進に期待しています。9Rのマイネルキャドーは、久々の分か前走はモタれて大変な競馬になってしまったので、中間も追い切りに乗せていただいています。感触は悪くありませんし、能力を感じさせてくれる馬。返し馬でもテンションが上がらないように工夫して力を出し切ってあげたい。10Rのエネスクの前走は内にササるところを見せて、勝負所で上手く流れに乗れませんでした。それでも最後は力を見せており、中1週の上積みと定量戦に戻る恩恵があれば前進が見込めます。12Rのラスイエットロスは先行力があり、東京であれば中山のほうが合いそうなイメージ。クラス3戦目で目途を立ててあげたいです。
日曜も中山で10鞍に騎乗します。3Rのマイネルアンドゥミは芝に戻した前走でシッカリと競馬できました。1ハロン延びるのも良さそうなので、今回も前進に期待しています。4Rのマイネルキラメキは2戦ともいい競馬をしており、とりわけ前走の末脚は際立っていました。いい素質を持っている馬なので、改めて勝ち負けを期待しています。6R(新馬)のウインアイスバーグは今週の追い切りに乗せていただき、血統の良さを感じました。そんな中でも幼さを残しており、色々と教えないといけない部分があります。まずはレースに嫌気をささないような内容を心掛けて、次走に繋げてあげたい。
7Rのマイネルユキツバキの素質は間違いありませんが、気の弱い面を残しておりもどかしいレースが続いています。コース替わりと相まって、スムーズな立ち回りでより力を引き出してあげたい。9Rのマイネルクラースは前走も頑張っていましたが、前半で流れに乗って行けないのが弱点。脚質的に中山コースが鍵になるものの、勝負所の流れがかみ合えば1000万でも通用する馬です。10Rのアルマエルナトは中山1200mがベストに近い舞台。ハンデ戦でもあり、5ヶ月振りの状態さえ整っていれば差のない競馬ができるはず。11Rのマイネルハニーは追い切りに乗せていただきましたが、変わらずいい状態をキープしています。前走も馬は頑張ってくれているのですが、東京コースのヨーイドンの競馬に対応しきれなかったという印象。長くいい脚を渋太く使えるので、重賞で②着もある中山のほうが合っているはず。持ち味を出し切ってそろそろ勝たせてあげたいです。
忘年会シーズンに突入し、観ている連ドラも最終回が近づいたりといよいよ年末を感じますね。余談ですが今クールはドクターXと先に生まれただけの僕を毎週楽しみにしていました。勝ち星という意味では苦戦していますが、一年を締めくくる上で重要な時期なので、一鞍一鞍気持ちを入れて乗っていきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。