一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
共同通信杯はコスモイグナーツに騎乗
2018/2/8(木)
先週はペルソナリテ(4人気)の2着が最高着順。休み明けでしたが馬は落ち着いており、終いは思っていた以上に長くいい脚を使ってくれました。勝てずとも内容は良かったので、ベストともいえる東京コースで次走は決めてあげたい。東京新聞杯のマイネルアウラート(16人気16着)は、直線に向いたら一気に抜けてしまう感じで気持ちの問題ですね。本来あのくらいのペースなら、交わされそうで交わされずに踏ん張る馬なのですが……。体力的に衰えてはいないはずなので、どこかでかみ合ってくれればと思います。火曜日、佐賀記念のマイネルバサラ(3人気3着)はもちろん勝ち馬も強かったのですが、58キロが最後に響いたという印象。外枠で砂を被らずに進められて、自分から動いて次に繋がる内容ではありました。交流重賞で色んな経験を積みつつ、また結果が伴っていくはずです。
今週は3日間開催、初日の土曜は小倉で8鞍に騎乗します。4Rのマイネルミシシッピは少しずつ馬が動ける態勢になってきました。前走を見ても体の使い方が良くなっている印象を受けたので、もう一歩前進がありませんか。6Rのパラノーマルは小倉コースが合いそうなイメージ。当初を思えば500万にいるのが不思議なくらいなので、久々の騎乗で力を出してあげたい。7Rのアイムウィッシングも一昨年の夏以来の騎乗。平坦コースは向いているはずなので、少しでもキッカケを掴めるような内容を心掛けます。
8Rのピンキージョーンズの前走は久々もあって返し馬からかなり気負っていました。あの競馬でガスが抜けてリラックスして走ってくれれば、十分に500万でもやれるはずです。9Rのワタシヲマッテルは小倉に行く前の追い切りの感じが凄く良かった。コースも合うはずで、自己条件に戻れば巻き返せる感触です。10Rのマイネルザウバアも小倉コース、それも開幕週がマッチしてくれませんか。間隔が空いても力が出せるタイプでもあり楽しみにしています。12Rのマイネルネッツも使い込むより久々のほうがいいタイプ。小倉コースは合うはずなので、ヤル気を促しつつロスのない競馬をしてあげたい。
日曜は東京で8鞍に騎乗します。共同通信杯のコスモイグナーツは2週続けて追い切りに乗せていただき、大分リラックスして長目からできています。競馬に行くとどうしてもテンションが上がるので、なるべく返し馬で落ち着かせて臨みたい。馬場が緩いとしぶとさを活かせるので、天気も味方してくれませんか。1Rのポートナイトサイトは安定しつつも1200mは忙しい感じがあったので、東京1400mという条件は歓迎。権利持ちのライバルが多い中でも勝ち負けを意識したい一頭です。4Rのマイネルセッカはひと息いれて、体質の弱い面が改善してきたと聞いています。素質は感じる馬なので久々でも前進に期待したい。
7Rのタックボーイの前走は休み明けで9着とはいえ、気負わずにリラックスして走れて内容がありました。あれなら距離延長も問題ないはずで、使った上積みと相まって頑張ってくれそう。8Rのマイネルビクトリーは速い馬場なら問題ないのですが、不凍剤が入って走りづらい馬場を気にするような印象を持ちました。前走は内で動けない位置にいたとはいえ、反応が物足りなかった。当日の気温と馬場状態は気になるところです。10Rのイースターパレードは2年半振りの騎乗になりますか。当時2着でいいイメージが残っています。平田先生から元気も良いと聞いており、改めて乗せていただけるチャンスを活かしたい。12Rのコスモヨハネはコースを問わずにシッカリと脚を使ってくれる馬。道中リラックスさせて、今回も終いの脚で勝負したいですね。
月曜も東京で8鞍に騎乗します。クイーンCのキャッチミーアップの前走は関西でもハイレベルのメンバーと聞きました。重賞で本当に有難い依頼ですし、持ち味を研究してより上位を目指します。1Rのファシナンテの前走は悪くない内容で、ダート替わりも向きそうな血統。2戦目の上積みと相まって前進できると思っています。 2Rのアルマライルは思っていたとおり、距離が延びた前走で持ち味が出ました。使う毎に馬も良くなっているので、コース2戦目で前進に期待しています。6Rのマイネルユキツバキは持っている能力を思えばもどかしい着順が続いています。とはいえ最後にグッと来る感じはいつもあるので、そろそろ目を覚ましてくれるはず。12Rのブルーボサノヴァは展開に左右されがちも、このコースが一番合っている印象。脚抜きのいい馬場でかみ合えば見せ場をつくれる末脚はあります。
週明けはレンタカーを借りて月曜から佐賀に移動しましたが、レース当日は雪の影響で国道が通行止めになるなどてんやわんや。かなり早くに競馬場へ向かいましたが、渋滞が全く動かずギリギリの到着となりとにかくバタバタでした。帰りは反対方面の佐賀空港からスムーズに戻れましたが、水曜から美浦で調教をつけ、金曜⇔土曜で小倉の往復もあるので移動ずくしの1週間です。ただ、どこでも寝れるのが僕の特技でもあるので、移動中の睡眠で体力を蓄えて3日間開催をいい結果で乗り切りたいと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。