一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
青葉賞はトラストケンシンに騎乗
2018/4/26(木)
東京開幕週は2頭の2着が最高着順。マイネルプリンチペ(1人気)は状態も上がっており、これ以上ないという競馬ができたのですが…。内から伸びてきた勝ち馬の脚が違ったので、相手が悪かったとしか言いようがありません。初めて乗せていただいたエニグマ(3人気)はレースVTRで研究して臨みましたが、自分の想像以上に脚を使ってくれたという印象。素直に凄いなと驚いてしまいました。あの形を崩さずにいければ、準オープンもすぐ勝ち上がれるはずです。フローラSのヴェロニカグレース(11人気8着)は道中ですんなり収まる感じではなく、所々で力みながら走っていました。ペースとかみ合わなかったところがあったかもしれません。最後はもう少し伸びると思ったのですが、ジリジリになってしまったのは一生懸命になりすぎてしまった分と言えそうです。もう少し遊びを覚えればより走れるはず。
この土曜は東京で7鞍に騎乗します。青葉賞のトラストケンシンは先週の追い切りに乗せていただき、凄くいい走りと背中をしており、好感触を掴ませてもらいました。未勝利を東京2400mで勝っている馬でもあり、相手は強くなりますがかなり楽しみにしています。3Rのマイネルミシシッピはダートの感触がいいですね。キレるタイプではないので、この条件ならしぶとさを活かす競馬に徹したい。4Rのマイネルセボンは間隔を空けて芝に戻ります。手探りではありますが、立て直されての成長に期待。
初出走、5Rのマイネルマンデリンは2週続けて追い切りに乗っています。次に繋がる競馬が第一ですが、能力を感じる馬で初戦から頑張ってくれそう。7Rのパフォームの前走はこの馬の良さが出ていましたよね。成績的にばらつきはあるものの力は秘めており、東京のマイル戦は合っていると思います。9Rのコスモヨハネは崩れず走ってくれていたので、今回は丁度いい休養になっていると思います。走り慣れたコースで改めて頑張ってくれるはず。10Rのマイネルクラースの前走は、準オープンでも能力は上という内容。とにかくスタートをしっかり出して流れに乗せてあげたい。2走前こそ崩れましたが、2勝しているコースも悪くないと思います。
日曜も東京で9鞍に騎乗します。1Rのシガールの前走は交流ですがブリンカーの効果は出ていた様子。時計がかかる馬場ならもう少し走れていいはず。4Rのラヴァーズインメイの前走は外枠が響きました。非力さが残る現状なので、2走前のように内で脚をタメる競馬が理想です。5Rのマイネルアーリーの前走はしぶとく頑張ってくれています。どちらかと言えば中山向きの印象はありますが、感触が良かったのでここでも持ち味を活かしてあげたい。7Rのリープフラウミルヒの前走は、前の馬が下がってくるタイミングと被って捌ききれず。距離は1600mのほうがいいと思うので、流れに乗せて上手く立ち回りたい。
9Rのマイネルカレッツァは、約1年振りの前走で力があるところを見せてくれました。東京2400mは得意のコースでもあり、久々に騎乗できることを楽しみにしています。10Rのアルマエルナトは間隔こそ空きましたが、競馬が上手くなっているので、今なら東京コースにも対応できるはず。そんなに長い脚を使うわけではありませんが、特徴を心得ているので仕掛け所に気をつけます。スイートピーS(11R)のロフティフレーズは金曜朝に一度跨る予定です。そこでの感触と合わせて、入念に研究して臨みたい。12Rのコスモスのダートはいいと思うのですが、距離2100mがどちらに出るか。ホープフルS以来の騎乗なので、先入観を持たずにいい面を引き出してあげたい。
ロングラン開催が始まりましたが、今のところ東京で続戦していく予定。かねてから言っているように力のある馬が上位に来やすいコースですが、道中で色々と考えながら進めて行けるので、以前に比べて違ったアプローチができています。年を重ね、落ち着いて乗れるようになったということでしょうか。忙しくなってしまうローカル場所よりも今ではいいイメージを持っており、かつてほど嫌いな開催ではありません。結果を出すことが一番の薬でもありますので、何にせよ勝利を目指して頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。