一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ユニコーンSはホウショウナウに騎乗
2018/6/14(木)
途切れないように勝っていくというのはなかなか難しいですね。先週はアハルテケSのローズプリンスダム(8人気6着)が最高着順。チークピーシズの効果もあって、上手く流れには乗れたと思います。ただ、間隔が空いていた分もあったのか、追い出してからが思っていたような反応ではなく、改めてチャンスをいただけるのであれば活かせることが少なくなさそう。オープンで十分に勝負になっていく馬です。エプソムCのマイネルフロスト(13人気9着)は久々でも変わらずのブリンカー効果で、最後まで一生懸命に走れていました。確実に使った上積みがあるはずで、次走に繋がる内容だったと思います。
この土曜は東京で9鞍に騎乗します。1Rのヴォイスオブジョイは初戦から態勢が整っていたものの、スタートでダッシュがつきませんでした。今回は1ハロンの距離短縮になるので、出して流れに乗せていくことが課題。レース慣れが見込める2戦目で十分にチャンスがあるはずです。3Rのサクラメントは久々と距離短縮で馬場状態が気になるところ。次に繋がるレースにしてあげたい。5R(2歳新馬)のマイネルフィーストは1週前に乗せていただきましたが、しっかりと仕上がっている印象でした。素直で初戦から力を出せるタイプだと思います。6Rのボンナキュイは、むしろ間隔が空いた分に期待。前2走のイメージからコースはマッチすると思います。
8Rのウインメディウムは牝限定の東京1400mは魅力ですね。新馬でも乗ってコースは合っているので頑張ってくれると思います。9Rのフィルハーモニーの休養前は馬が苦しがっている印象がありました。新馬で勝っている馬ですし、むしろ久々がいいほうに向いてくれませんか。10Rのコスモヨハネはここのところ行きっぷりがいいため、久々になる1400mは気になりません。速いよりは時計がかかるほうが向く馬なので、そのあたりにも期待しています。11Rのマイネルラフレシアはもどかしいレースが続いています。少頭数でモマれない競馬はできるはずなので、そろそろキッカケを掴んであげたい。12Rのアピールバイオは今回が初ダート。キレるというタイプではないので、上手く流れに乗せて条件替わりを活かしたい。
日曜も東京で10鞍に騎乗します。ユニコーンSのホウショウナウは、昇級の前走でも相手なりに走って勝ち切っています。抽選を通った運もありますし、重賞でいつも有難い依頼をいただける河内厩舎。よく研究して、最上の結果を出せるように頑張ります。2Rのケイツーリラは初ダートと距離延長に期待。追走面が楽になってくれるといいのですが。3Rのコスモビッグハートはダートの走りが合っているものの、前走は力みすぎていました。折り合い面に気をつけて上手に運べれば、十分に勝ち負けできる力はあります。5R(2歳新馬)のコスモブッカーは今週の追い切りに乗せていただきましたが、しっかりした馬で仕上がりがいいです。初戦から力を出してくれると思います。
7Rのコスモジョーカーは500万に入ってからがもうひとつ。少しでも距離が短くなるのは歓迎ですし、一度使った上積みにも期待したい。8Rのキューンハイトは降級で力が入る一戦。体がない馬なのでむしろ久々もいいほうに出ると思っています。9Rのマイネルカレッツァは、とにかく自分のリズムで走らせてあげたい。そういった意味で、今回の少頭数は大歓迎。ここ2走は案外ですが、ズムーズに立ち回れれば1000万でも力は上の馬です。10Rのコスモロブロイは昇級でも通用する力を持っています。いつも書くように気持ちが難しい馬なので、気持ちを害さないように乗れるかどうかにつきます。12Rのリープフラウミルヒの前2走は自分の形で競馬ができています。古馬相手とはいえ、52キロで走れるのは魅力で改めて楽しみ。
今週の休日はカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した話題の映画、万引き家族を観てきました。考えさせられる内容で見応えありましたが、自分的には外国の方にも理解できるということが驚きでした。後からジワジワとくるような内容で、評価を受ける邦画は本当によく作りこまれていますよね。思うように勝てないモヤモヤがある中で、いい息抜きをさせてもらいました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。