一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝って締めくくりたい東京最終週
2018/6/22(金)
先週はダートに替わったケイツーリラ(8人気3着)が最高着順。砂を被っても大丈夫でしたし、根性を感じさせてくれる内容。あのレースで選択肢も広がったので、近いタイミングで勝たせてあげたいです。ユニコーンSのホウショウナウ(10人気4着)は2戦2勝で臨んできただけあって、凄く乗り味がいい馬でした。前半は一生懸命走っていましたが途中から折り合いもつき、もっと距離が延びても問題なさそう。短いところを使ってきた3戦目であの内容ですから、本当に先々が楽しみです。
この土曜は東京で6鞍に騎乗します。2Rのヘキギョクは実績どおりに東京ダート1600mがベストだと思います。自分の競馬に徹してここで勝たせてあげたい。本当に相手関係ひとつという段階です。5R(2歳新馬)のアセンダントは2週続けて追い切りに乗っていますが、かなり動きはいいです。血統馬が揃っている初戦とはいえ、俊敏に動ける態勢なので頑張ってくれると思います。6Rのマイネルスカイは間隔が空いての2400m。道中で気を抜きがちな面があるので、スムーズかつ集中させてしっかり乗れればと思っています。10Rのプレミオテーラーは一昨年に新潟で乗せていただいた馬。当時のいいイメージが残っていますし、少頭数のハンデ戦で有難い依頼です。お世話になっている厩舎でもあり、何とか期待に応えたい。11Rのマイネルエスパスは段々とクラス慣れしてきた印象。折り合い面の心配が解消されており距離延長は問題ないはずで、上手にロスなく運んであげたい。
日曜も東京で9鞍に騎乗します。1Rのハッピーメモリアルの前走は2100mでハナと行き脚がついていました。馬が良くなってきている印象で、今回は距離もマッチしそう。前進に期待したいところです。4Rのスーパースナッズは間隔こそ空いてしまいましたが、初戦の内容が凄く良かった。未勝利なら力は上のはずなので、久々がどうかというところにつきそう。5R(2歳新馬)のマイネルオニキスはマイネルフロストの全兄弟。使いながらのタイプかもしれませんが全体的に整っており、先々を見据えつつ楽しみな一頭です。1週前の追い切りに乗せていただきましたが、なるほどという乗り味でした。6Rのグラチダオンは前走でコース適性を感じました。同じ舞台に臨めるのは大きいので、改めて前進させてあげたい。
7Rのマイネルキラメキは、この中間にブリンカーを着用していい感触がありました。レースで気を抜く面があるので、そういった効果で集中して走れれば前進してくれそう。8Rのタイドオーバーは気難しい面があったので、休養効果に期待しています。自己条件なら十分にやれる力はあるので、どこまで成長しているのか楽しみ。11Rのタガノブルグは東京1400mの少頭数はマッチしそうなイメージ。メインレースで関西馬に乗せていただく機会は貴重なので、より研究して結果にまで拘りたい。12Rのレンズフルパワーの前走は大外枠から終始内に入っていけないレースでした。距離延長と相まって、内目で脚をタメられるかが鍵になりそう。枠順は気になりますね。
あっという間にロングランの東京開催も最終週。乗れていない、感触が悪いわけではないのですが、勝利数的に厳しい競馬が続いてしまいました。なかなか着順を上げられずに落ち込んだりもしましたが、前を見ていい形で締めくくりたい。G1であまり騎乗がなかったのもこの春の課題ですね。来年とは言わず、秋には多く参戦できるように精進します。来週は大好きな福島への開催替わり。開幕週から爆発できるように上げていきます!
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。