一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
結果を出したい福島開幕週
2018/6/28(木)
東京開催の最終週はプレミオテーラー(6人気)で勝つことができました。雨で時計がかかる馬場もマッチし、あれだけの道悪を馬はスイスイと進んでくれていいペースで逃げられたと思います。半年以上の久々とは思えぬほど仕上がりも良く、関東遠征の際はいつも頼んでくださる厩舎に感謝しています。マイネルスカイ(7人気2着)は気難しいところがあってブレーキをかけながらの逃げではありましたが、間隔を空けて馬は良くなっていました。もう少し気持ちが前向きになってくれるといいのですが、スタミナは凄くあるので、改めて頑張ってくれると思います。距離が長ければ長いほど力を発揮してくれそうなタイプです。
開幕週の土曜は福島で10鞍に騎乗します。1Rのマイネルフィーストの初戦は不利もありましたが、1400mが忙しい感じもしました。調教の感じからもっと走っていい馬ですし、芝替わりと距離延長がいいほうに向いてくれると思います。2Rのヴィーダは乗せていただいた3走前の段階で内容がある2着。小回りコースもむしろ合いそうですし、改めていただけたチャンスで結果を出したい一戦です。7Rのマイネルビーラヴドの前走はマイル戦でも流れに乗れて馬は頑張っていました。敗因のひとつに東京コースもあったと思うので、福島の小回りでもうひと押しを利かせたいところ。
8Rのアンネリースは同じ舞台を勝っての降級。再度の牝馬限定戦でもあるので、力をフルに発揮してくれると思います。9Rのマイネルパッセは滞在向きの感じがある馬で、少しでも体は戻っていてほしいところ。同様に当日の落ち着きも鍵ですね。11Rのレグルドールは3歳馬のため52キロで出走できるのが有難い。実績から小回り適性は抜群ですし、昨年暮れには阪神JFにも出走している馬。メインレースで関西馬に乗れるのも光栄なことなので、持ち味を最大限に引き出せるように頑張ります。
日曜も福島で9鞍に騎乗します。2Rのマイネルニュースの前走は久々よりもダートが敗因だったかもしれません。能力はありそうな馬ですし、使って芝に戻れば巻き返してくれるはず。5R(2歳新馬)のコスモアニモーソは今週の追い切りに乗せていただきました。時計と動きは悪くなかったものの、使いながらかなという印象を受けました。次に繋がるアプローチをしてあげたい。6R(2歳新馬)のコスモエスパーダは仕上がりが良くスピードもありそう。気性的に難しいところも感じますが、前向きな部分とかみ合えば初戦からいい勝負になると思っています。7Rのロイヤルオペラはここ2戦が案外も、休み明け3戦目で力は出せそうな態勢。脚質的にも福島コースはマッチするはずです。
8Rのマイネルネッツはムラがあって勝ち切れないものの、500万なら地力は上位。気持ちで走るタイプなので、適度に間隔が空いている今回は頑張ってくれるはず。9Rのマイネルズイーガーは降級で少頭数というベスト舞台。初コースも福島は合うはずで、自分のリズムで走らせてあげられればチャンスです。10Rのキョウエイスコールは初めての芝。適性は分かりませんが、行かせると甘くなるので展開面が鍵ではないでしょうか。やはり終いを活かす型がベターだとは思います。12Rのウサギノダンスの前走は、やや間隔を空けての昇級緒戦。クラス慣れが必要かもしれませんが、使った上積みがあれば500万でも十分にやれるはずです。
待ちに待った福島開幕週は書いていても胸がワクワクしています。土曜の早い段階から結果を出して流れに乗っていきたいですね。今週の休日は空飛ぶタイヤという映画を観てきました。僕は小説から入ったのでまた違ったイメージもありましたが、今の邦画だけあって豪華キャストにより上手く作られていたという感想。どうしても原作と照らし合わせてしまいましたが、むしろ知らない方のほうがすんなりと入れるかもしれません。先日観に行った万引き家族とは違った意味でいい息抜きになりました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。