一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
七夕賞はマイネルフロストに騎乗
2018/7/5(木)
福島開幕週は2着が2回、3着も3回ありましたが勝ち切ることができず。マイネルズイーガー(2人気2着)は自分の競馬に徹して力を出し切れたと思います。目標にされてしまったこともありますが、あの運びで差されてしまっては勝ち馬が強かったということでしょう。ウサギノダンス(6人気2着)も昇級2戦目で力があるところを見せてくれました。内容的にも収穫があったので改めて次走に期待したい。決して感触は悪くない2日間だったので、この2週目は早い段階で勝利して七夕賞に弾みをつけたいと思っています。
土曜は福島で6鞍に騎乗します。2Rのケイツーリラは初ダートの前走で適性を見せてくれました。砂を被っても問題なく立ち回りが上手なので、続けてのダート戦で期待しています。6Rのハヴアサニーデイは、一息入れて馬体が戻っていてほしいところ。芝に戻って次に繋がる競馬をしてあげればと思っています。7Rのラヴァーズインメイの前走はスタートが敗因。本来は1400mでいい競馬ができていた馬なので、ゲートを決めて流れに乗って行ければ差はないはず。
10Rのフロムマイハートの前走は1000万でも相手が揃っていたという印象。コース形態的に福島は合うと思っているので、あとは馬場状態につきますね。あまり道悪は得意ではありません。11Rのコスモナインボールは本来小回り向きですが、ここ2走は東京でも頑張れたのは力をつけている証拠。この馬は道悪もむしろ歓迎なので、ハンデ戦と相まってしぶとさを活かす競馬をしてあげたい。12Rのマイネルツァイトは元より力がある馬ですが、とりわけ前走はゲートや展開などかみ合わないところがありました。福島コースは初めてですが、着順を上げられるだけの態勢にはあります。
日曜も福島で11鞍に騎乗します。七夕賞のマイネルフロストは、長期休養明けのエプソムCも最後まで諦めずにしっかり走り切っています。使われつつ良くなるタイプでもあり、七夕賞は昨年2着と惜しいところまでいったレース。今年も勝ち負けを意識して臨みます。2Rのヴォイスオブジョイはスタートに課題がありますが、中間にしっかりと練習していただき、僕もゲートから出させてもらいました。スタートさえ決めて流れに乗っていければ1200mでも問題ないと思います。3Rのファシナンテは間隔こそ空いていますが、前走のダートの走りが良かった。久々と相まって1150mで追走面がどうかも、いきなり頑張れるだけの力がある馬です。4Rのマイネルセッカはデビュー当時の感触を振り返れば、ここまで着順が上がらないのが不思議なほど。芝の中距離で良さを引き出せればと思っています。
5R(2歳新馬)のワイルドオーキッドは2週連続で乗せていただいおり、調教ではしっかり動けています。凄く素直で前向きな気性なので、初戦から力を出してくれると思います。小柄な馬なので、道悪になるとどうかというところですね。7Rのマイネルトワイスの前走は距離が長かったのかもしれません。久々も問題ないはずで、この条件で力を出し切れれば勝ち負けになるはず。8Rのキューンハイトの前走は、メンバーが揃っている中でも降級の力は見せてくれました。一度使って今回は勝っている舞台なので自ずと力が入ります。9Rのアイムウィッシングは小回りでこそというタイプ。1200mに戻ってキッカケを掴みたい一戦です。10Rのコスモバーダンは未勝利、500万と勝たせていただいた馬。久々の騎乗になりますがいいイメージを持っており、福島コースなら乗り方ひとつで巻き返せませんか。
来週の9日(月)、10日(火)はセレクトセールです。例年そうさせていただいているのですが、2日間とも顔を出しつつ、火曜はビッグレッドファームにも行って2歳馬に乗る予定。さらにその足で函館に入り、水曜はかねてから話題にしているアルママの調教に跨ってきます。札幌の開幕週デビューを予定しており、それまでは行き来して感触を掴んでいきたいと思っています。いつも搾り出している小ネタですが、次回の更新は話題に事欠かないのでちょっとホッとしますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。