一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
体調の良さを結果に繋げたい!
2018/8/9(木)
東京コース同様、馬の地力が反映されやすい舞台でなかなか勝つことができず苦戦しています。先週はシルヴァーコード(8人気)が最高着順。先週書かせてもらったように状態の良さを確認できていたので、変わるならこういったタイミングではないかと思っていました。せっかく適性を掴めたので次もいい番組があるといいのですが……。勝負根性を見せて同着とはいえ2着に踏ん張ってくれたので、いいキッカケになってくれるはずです。
この土曜は新潟で9鞍に騎乗します。1Rのマイネルアルケミーの初戦はダート戦で調教の良さが活きなかったという印象。1番人気に推していただいた馬でもあり、芝とコース替わりで大きく変われませんか。3Rのマイネルトワイスは休養明け2戦目で期待していた前走が案外。とはいえ、一連の内容を思えば勝ち負けまでいけるはずなので、この馬もコース替わりに期待しています。5R(2歳新馬)のレオンドーロは2週続けて乗せていただきましたが、調教の動きは文句なし。初めての場所になると気負ってしまう面があり、上手に競馬まで臨めるかどうかが鍵になりそう。ゲート試験から跨っている馬なので、何とか力を発揮させてあげたい。
7Rのエルヴスは新馬で勝たせていただいた馬。その後は苦戦してしまっていますが、流れが向いた2走前は4着に食い込んでいます。同じ新潟コースなので、流れに応じて上手く立ち回りたい。8Rのアンネリースはゲートが安定せずに、今回も再試験明け。外回りの2000mなら脚は使ってくれるはずなので、とにかくスタートに神経を集中させたい。9Rのフロムマイハートの前走敗因は馬場につきます。道悪が苦手なことを思えば地力でよく頑張っているので、良馬場であれば巻き返してくれるはず。11Rのシャドウダンサーは、馬が最後まで目一杯に走らなくなっているとお聞きしました。そのあたりを意識して、気持ちを途切らせずに頑張らせてあげたい。芝1400mなら可能なはずなので、次にも繋がる内容を意識します。
日曜も新潟で8鞍に騎乗します。1Rのオーレアの初戦は気持ちが入っておらず流れに乗れなかったという印象。素質は感じる馬なので、レースを経験した上積みに期待しています。3Rのマイネルラッジョの前走は思っていたとおりに2戦目で変わってくれました。相手が悪かったことにつきるので、改めて勝利を狙っていきます。4Rのロイヤルジュビリーの前走は流れに乗って行けず、1400mが忙しかったのかもしれません。折り合いに気をつけさえすれば、距離延長と外回りコースで変わってくれるはず。7Rのヴィオトポスは脚質的にも小回りよりは広いコース向き。外回りコースの牝馬限定戦となれば、ひとつでも着順を上げてあげたい。9Rのペルソナリテの前走は開幕馬場で流れも向かなかったという印象。1400mだと終いを活かすアプローチになりますが、休み明け2走目と相まって前進を見込んでいます。
目立った成績をお見せできずにファンの皆さんをやきもきさせてしまっているかもしれませんが、体は凄く動いていますし、本当に体調はいいんです。平日も地方競馬や調教に乗る以外にもトレーニングは欠かしていませんので、移動時間が多い夏場は余計なことを考えすぎずに体と気持ちを休めることを心掛けています。今週も有難いラインナップを揃えていただいているので、勝利という形で恩返しできるように頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。