一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
東京スポーツ杯2歳Sはナイママに騎乗
2018/11/15(木)
先週はコスモロビンソン(1人気)で勝つことができました。外から競られて厳しい競馬でしたが、長い直線の最後にもうひと伸びして、強い内容だったと思います。返し馬から凄くフットワークが良く、調教より実戦向き。時計も大分短縮しており、先にも繋がる勝利でした。アドアステラ(2人気2着)はブリンカーが効いているようで、以前のイメージとは全然違います。やる気満々で上手に競馬してくれました。今回の内容なら崩れないと思いますので、次走こそ勝たせてあげたい。アルママ(2人気2着)もゲートをしっかり出て、調教の良さが表れてきました。一歩ずつ前進させた上で結果も伴っていけばと思っています。武蔵野Sのラインシュナイダー(16人気13着)はペースが上がっていくところでスピードに乗り切れませんでした。休み明け2走目とはいえ復調途上だった印象で、先生もおっしゃっていたようにベストは1400mなのかもしれません。ともあれ、次走はもうひとつ良くなるはず。
この土曜は東京で6鞍に騎乗します。東京スポーツ杯2歳Sのナイママは先週も書いたように調教に乗れなかったのは残念ですが、川崎の河津先生から好調をお聞きし、追い切りのVTRも見ましたが時計は優秀で抜群の動きに見えました。不安という不安はなく、かなり揃ったメンバーとの力関係に尽きると思います。いい意味で力試しになりそう。差はない競馬になると信じていますし、繁幸社長としっかり作戦を立てて臨みます。2Rのコスモハヤテは一戦毎に内容が良くなっています。3走続けてのコースなので、集中して走らせられれば更なる前進が見込めます。
3Rのシックガニアンはデビューから崩れずに頑張っていたため続戦でしたが、一息入れたことがいい方に向くはず。広い東京コース向きでもあり、リフレッシュ効果と相まって楽しみです。10Rのプレミオテーラーは1000万を勝たせていただいた関西馬。道悪が上手いイメージなので、雨が早まるようならチャンスが増しそう。少頭数で流れもマッチしそうなので頑張りたい。12Rのルリハリは1400mが一番合っている馬だと思います。連闘になるのでテンションに気を配りつつ、上手くなだめながら前進させてあげたい。
日曜も東京で11鞍に騎乗します。1Rのコスモビックラコグは心身ともに幼いところがあったため間隔が空きました。かねてからいいイメージがある馬なので、このタイミングで着順を上げられませんか。2Rのアナザークイーンの前走は流れに乗りきれず、思ったようなポジションが取れなかった。フワフワして集中し切れない部分を牝馬限定戦と距離短縮のペースで補えれば。3Rのマイネルサンタアナはデビュー時から好感触を掴めていた馬。順調に使いつつの3戦目で力が入ります。
4Rのマイネルセリオンは一戦毎に気持ちが入って内容は良くなっています。次にも繋がる内容で着順を上げられれば。6R(新馬)のナムラガンマンは先週除外も、サラッとの追い切りに乗せていただいて気持ちが入っています。好仕上がりで初戦から頑張ってくれるはず。8Rのラヴタクティクスの前走は余裕がある強い内容で勝利。馬込みでごちゃつく競馬にならなければ、昇級でも通用する感触があります。いつも書きますが、モマれない枠順が理想です。11Rのニットウスバルは最後に脚を使わせる競馬が良さそう。初めての騎乗になりますが、カペラSで戦ったことがあり、かなり力があるイメージ。メインレースに有難い依頼で、勝ち負けになるよう最善を尽くします。
先週日曜は京王プラザホテルで恒例のビッグレッドグループのパーティーがありました。450名くらいと聞きましたが、かつてないほどの盛況で、皆様の期待を肌で感じることができました。マイネルさんの馬にたくさん乗せていただいている身として今年の成績は申し訳なく思いますが、皆様が盛り上げてくださって感謝しかありません。岡田繁幸社長の人を引き付けるスピーチ、それに見入っているファンの方々の視線は鳥肌ものでした。そんな期待に応えるのが僕の役割なので、この年末からもっともっと成績を伸ばしていけるように精進します。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。