一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
カペラSはコパノキッキングに騎乗
2018/12/6(木)
先週はチャナ(3人気)の3着が最高着順。返し馬から乗り味が良く、競馬でも上手くゲートを出てスピードに乗っていくことができました。2戦目でゲートが難しくなりそうな雰囲気を感じたので、そのあたりをクリアすれば順当にチャンスだと思います。ステイヤーズSのマイネルミラノ(10人気9着)はブリンカーを外して3600mに臨み、最後まで一生懸命に頑張っています。2週目に入ってポジションを上げていくつもりでしたが、そこから脚色が一杯になってペースアップできなかった。2000m前後を主戦場にしてきたこともあり、色々とかみ合わなかったという印象です。
この土曜は中山で8鞍に騎乗します。2Rのアルママは今回初ダート。走りの感触を見たかったので、水曜の追い切りはダートコースで乗せていただきました。凄く走りも反応も良かったので、いいほうに向いてくれるはず。芝だと直線モタついてしまう面からもダートで変われると思っています。3Rのコスモビックラコグの前走はかなりテンションが高かった。改めて芝の走りが良いことも分かりましたし、今回はゲート裏までメンコをつけて行くので、これによって落ち着いて臨めれば着順を上げられるイメージ。4Rのワイルドオーキッドは小柄な牝馬なので、間隔を空けたことがプラスに出るはず。立ち回りも上手く、十分に勝つだけの力がある馬です。
7Rのコスモロビンソンの前走は、厳しい流れの中でも能力の高さで勝ち切ることができました。昇級も1800mなら追走は楽になるでしょうし、いい競馬ができると思っています。9Rのマイネルスフェーンは降級2戦目。かねてから中山のほうが向いている馬なので、いい位置で流れに乗って、重賞2着があるコースで持ち味のしぶとさを活かしたい。11Rのマイネルバサラは2週続けて追い切りに乗せていただき、具合のいいところを感じています。ここまで戦ってきたメンバーが違うので、オープン特別となれば自ずと力が入ります。トップハンデとはなりますが、勝ち負けを意識して乗りたい。12Rのマイネルプリンチペは7ヶ月振りの実戦ですが、今週の追い切りではブランクを感じませんでした。本来は使って上向いていくタイプも、能力の高さでいきなり目途を立ててくれるはず。
日曜も中山で9鞍に騎乗します。カペラSのコパノキッキングは本当に有難い依頼で、何としても結果を出したいところ。スタートが決まれば前に行く脚がありますし、2走前は後ろからでもかなりの末脚を使っています。まずはスタートに気を配って、出たなりの位置で馬の力を信じて臨機応変に勝利を目指します。2Rのアドアステラはブリンカーを着けたここ2戦で行きっぷりが良化し、最後までしっかり走れています。改めて勝ち負けに持ち込みたい一戦です。3Rのマイネルミュトスの前走は馬の気持ちが乗らず、追走に苦労してしまいました。能力は高い馬なので、3走目で気持ちが入って自分からハミを取ってくれるようであれば、大きく変われると思っています。4Rのコスモハヤテはどうしてもフワフワしてしまうので、今回はブリンカーを着けてもらいます。十分に力はあるので、その効果があれば巻き返せるはず。
5R(新馬)のマイネルリガスは先週のゲート練習に乗せていただきました。まだ体を上手く使えていない印象なので、何度か競馬を経験してからかもしれません。6R(新馬)のミラキュラスパワーは今週の追い切りに乗せていただきましたが、いい走りをしており仕上がっています。1600m除外で1800m戦でのデビューになるものの、距離は問題なさそう。気負わず流れに乗せてあげればイキナリから頑張ってくれると思います。9Rのマイネルアルケミーの前走は、格上挑戦でも先行して着差なしの3着。モタれてしまう弱点がありますが、5度目の騎乗で特徴は把握しているつもり。上手くフワッと乗ってササらないようにしてあげたい。10Rのコスモイグナーツはここのところ落ち着きも出ているので、そこまで極端な競馬にならないはず。中山コースのほうが向く馬なので、出たなりの位置で息を入れながら走らせてあげるアプローチが理想。次にも繋がるような内容を意識したい。
先週は楽しみにしていた開幕週だったのですが、東京からのコース替わりで気持ちほど体が対応できなかったのか歯痒い内容でした。今週は書いていても本当に力が入るラインナップで、とりわけ結果に拘りたい、結果を出さなければならないと思っています。中山はよく声が通る大好きな競馬場でもありますので、引き続き応援よろしくお願いします。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。