一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
フローラSはレオンドーロに騎乗
2019/4/18(木)
中山最終週はマイネルツァイト(2人気)で勝つことができました。体が良くなってきたことでイレ込まなくなり、ドシッと構えてくれて好スタート。ここ数戦で持ち得る能力をフルに発揮できるようになりました。マイネルイヴィンス(2人気2着)は今回も頑張ってくれましたが……。あのペースで行って突き放されてしまったのですから勝ち馬が強かった。皐月賞のナイママ(18人気)はスタートこそ良かったものの、ペースとメンバーもあって後方から。それでも最後までリズム良く走り、差しての10着ですから内容はありました。次走は中2週で京都新聞杯に向かうので、改めて前進を見込みたい。
開幕週の土曜は東京で4鞍に騎乗します。1Rのフェアリースキップの前走はダートに戻って頑張ってくれました。追走が楽になりそうな1400mは歓迎。テンションが高い馬なので、競馬までの臨み方にも気をつけます。5Rのアナザークイーンの前走は、休み明けの分なのか反応が物足りなかった。使った上積みはあるはずなので、気持ちが散漫な部分を収集させるようなアプローチを心掛けたい。6Rのミラキュラスパワーは地方交流のダート戦を経て芝に戻ります。1800mなら追走は楽になるはずなので、決め手の差が出ないよう流れに乗せていきたい。11Rのアメリカズカップは初ダートのタイミングで有り難い依頼。スタートで流れに乗せて、芝でも先行できるスピードを活かしてあげたい。過去のレースを研究して最善を尽くします。
日曜も東京で9鞍に騎乗します。フローラSのレオンドーロは中1週の参戦ですが、前走内容からも2勝馬級の力はある馬。距離もコースも合っているので、ここ2走で安定してないゲートを五分に出してあげられるかどうか。オークス出走権を手にしたい一戦です。5Rのディオミーオは休み明けの前走が次に繋がる内容でした。跳びが大きくて、ゆったり走れる東京コースはいかにも合いそう。能力が高い馬なので前進に期待しています。
8Rのラプターゲイルの前走は地方の馬場が合わなかったという印象。ベストに近い条件だとは思うので、願わくば展開が流れてほしい。10Rのマイネルラックの前走は13番人気を覆す勝利。左回りの1400mはベストなので、昇級のペースでどこまで流れに乗れるかがポイントです。12Rのピンキージョーンズはクラスが上がって思いのほか苦戦しています。距離はこのくらいがベストなので、ロスのない競馬をして目処を立ててあげたい。
週明けは北海道に足を運び、月曜はビックレッドファーム、火曜はノルマンディーファームで2歳馬に乗せていただきました。6月一週目からの新馬スタートに向けて、それぞれ凄くいいムードを感じました。佳境の春クラシック戦線も然り、充実した毎日を送れていることに感謝がつきません。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。