一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
新潟最終日に参戦します
2019/5/16(木)
先週はコスモレリア(5人気)が最高着順。自分のリズムで走れ、自分のタイミングで仕掛けられて最後までしっかり頑張っています。左回りが合うようでモタれる癖も出さず、差し返して内容がある3着。相手関係とコースひとつで現級を勝てそうな感触を掴めました。アナザークイーン(5人気4着)は前半思っていたほどハミを取ってくれず、途中からジワジワと気持ちが乗ってきたという走り。それでも、高いダート適性は感じました。気持ちにムラがあるのが弱点ですが、レース選択の幅は広げられたと思います。
この土曜は東京で9鞍に騎乗します。3Rのコスモルシオの前走は、石橋脩騎手から着順ほど内容は悪くなかったと聞きました。前半の進みが良くないため、東京の長い直線はマッチしそう。なるべく流れに乗せるアプローチを心掛けます。5Rのコスモエスパーダは毎回、一生懸命に走ってくれる堅実タイプ。前走は1400mにも対応してくれましたが、1600mに戻ることに全く問題はありません。勝ち負けを意識している、勝たせてあげたい一戦です。
7Rのラプターゲイルの前走は、広いコースで流れに乗って一変してくれました。同じコースの牝馬限定戦なのでいいイメージを持って臨めます。11Rのプラチナムバレットは重賞ウイナーの関西馬。最近の成績こそ案外ですが、立て直されていい動きをしているようですね。地力は間違いなく上位のはずなので、しっかり研究して結果に繋げられるよう頑張ります。12Rのコスモヨハネも休み明けですが、コンスタントに使われていたので、むしろいいほうに向いてくれませんか。東京コースでもしっかり脚を使ってくれる、力差はない馬です。
日曜は新潟で6鞍に騎乗します。3Rのフロラシオンはダートに替わってからの内容が良く、平坦の新潟コースも合いそう。新馬に乗せていただいた馬ですが、そこからの成長を楽しみにしています。5Rのワイルドオーキッドは初めての2000m。気持ちが先走ってしまうところがあるため、上手く息を入れながら走らせてあげたい。今の段階まで未勝利なのが不思議になるくらいの馬なので、勝利に近づけるように頑張りたい。11Rのアルマエルナトは勝ち上がってからも好時計で走っており、年齢的な衰えはなく元気一杯。なるべく外枠がほしいところですが、千直は向いてくれそう。楽しみにしているコース替わりです。12Rのリープフラウミルヒは東京コースで走れる馬なので、上手く流れに乗せて脚をタメれば外回りに対応できるイメージ。調子も良いと聞いており、改めて持ち味を引き出してあげたい。
乗鞍が少なくなってしまった先週は、ストレッチをしてはレースを観て馬場やペースの研究を繰り返し、レースまでの時間がやたら長く感じました。今週は普段どおりの乗鞍に戻り、携わっていただいている皆様に感謝の気持ちが尽きません。感謝といえば、中2週でナイママの日本ダービー参戦が決まりました。京都新聞杯後も疲れがなく元気一杯。今週も乗せていただいていますが、むしろ使われてグングン良くなっており、そのタフさには頭が下がります。また、光栄な場所に挑めるのも、2歳時に加算してくださった賞金の賜物。早くからの勝ち上がりが本当に重要と感じますし、2歳新馬のスタートが待ち遠しくなりません。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。